失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料高騰問題」の深層
Tesla Insurance Costs Could Surge Amid Anti-Elon Musk Vandalism

販売不振に加え、テスラが直面する「保険料高騰」の驚愕理由 Austin Hervias-Unsplash
<ここ数年、自動車の保険料はじわじわと上昇している。だが、その中でもテスラの上昇率は突出している。車両価格の変動、修理費の高騰、そして市場の変化──テスラ特有のリスクとは?>
テスラの車が、イーロン・マスク氏に対する怒りの矛先となっている。マスク氏はここ数カ月、ドナルド・トランプ氏の就任式でナチス式敬礼とみられるジェスチャーをしたことや、その後数週間で数千人の連邦職員の解雇を命じたことなどで物議を醸してきた。
マスク氏は、自身が所有するX(旧Twitter)上で批判を否定。「過激な左派」が自分をナチス呼ばわりしていると投稿し、反発を強めている。
しかし、米国内のみならず、ドイツや英国などの国々でも、テスラ車が攻撃される事態が相次いでいる。車が銃撃されたり、放火されたりするケースのほか、「スワスティカー(Swasticar)を買うな」と書かれたステッカーが貼られたり、大きな赤いスワスティカを描かれたりする被害も報告されている。
一部の所有者は「イーロンが狂う前に買った車です」と書かれたステッカーを貼るなどして自衛を試みているが、専門家は、テスラへの破壊行為が増えれば、すでに高額な車両保険のさらなる上昇を招く可能性があると警告している。
テスラの車両や販売店、充電ステーションは、マスク氏に対する抗議の格好の標的となっている。特に、マスク氏がトランプ政権の「特別政府職員」として果たしている役割が反発を呼んでいる。
マスク氏は、政府効率化局(Department of Government Efficiency、通称DOGE)の主導者として、連邦政府職員の大規模削減を進め、数千人の解雇や政府機関の予算削減を命じている。民主党議員らは、マスク氏の権限の合法性や、彼が事実上フリーハンドで政府機能に介入している点について疑問を呈している
EV革命の象徴とされてきたテスラも、マスク氏への反発によって深刻な打撃を受けている。特に欧州では、マスク氏が現地の政治に介入しようとしたことで販売が急落。世界全体でも販売不振が続き、同社の株価も大幅に下落している。
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