日本の1人当たりGDPは先進国平均の74.6%に...財政出動と減税では日本経済は復活しない

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<「減税によって手取りを増やす」政策は、ほとんど効果がない...デービッド・アトキンソン氏がデータと理論で明らかにする日本経済にとって本当に必要なこと>
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。
退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼の著書『給料の上げ方:日本人みんなで豊かになる』では、日本人の給料を上げるための方法が詳しく解説されている。
「いまの日本の給料は、日本人のまじめさや能力にふさわしい水準ではありません。そんな低水準の給料でもガマンして働いている、その『ガマン』によって、いまの日本経済のシステムは成り立っています。でも、そんなのは絶対におかしい」
そう語るアトキンソン氏に、これからの日本に必要なことを解説してもらう。
1人当たりGDPでポーランドに抜かれる
私が生産性向上を訴え始めてから10年が経っています。少しずつ認識は進んでいるように感じますが、生産性そのものは十分に向上されていません。
IMF(国際通貨基金)が出している2025年の最新の予想では、日本の1人当たりGDP(購買力調整済み)のランキングが36位まで下がっています。この数年で、韓国にもイタリアにもスペインにもチェコにも抜かれてしまいました。