アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政権の対カナダ25%関税

カナダと米国の牛の頭数は米政権の対カナダ産品関税の脅威が浮上する前から減少傾向にあり、米国で74年ぶり、カナダで36年ぶりの頭数に落ち込んでいる。写真は米モンタナ州と国境を接するカナダ・アルバータ州南部で草を食む牛たち。1月18日撮影(2025年 ロイター/Todd Korol)
「肥育用子牛の買い付けを停止してしまった」――。カナダで家族経営の酪農業を営むジョン・バーグス氏はそう言って肩を落とした。購入停止は昨年11月。米大統領選でトランプ氏の返り咲きが決まったことを受け、米政府がカナダ産品に輸入関税を課すリスクが、冗談では済まなくなったからだ。
例年は11月から翌年夏まで、肥育場は3000頭の牛でいっぱいになるはずだが、今では1000頭以上のスペースが空いたままだ。
カナダは世界第8位の牛肉輸出国で、生産国としては第10位。生産量の半分以上が輸出に回り、そのうち75%が米国向けだ。だが、ここ何年も乾燥した気候が続き、飼料穀物の生育に打撃となったためコストが上昇。北米の農家は牛の肥育数を減らしてきた。
カナダと米国の牛の頭数は米政権の対カナダ産品関税の脅威が浮上する前から減少傾向にあり、米国で74年ぶり、カナダで36年ぶりの頭数に落ち込んでいる。トランプ政権は食品価格の引き下げを主要政策目標に掲げるものの、国内食料品店で牛肉価格が以前から上昇している。
<米都市部では2020年から値上がり>
米労働省労働統計局(BLS)によると、都市部における牛ひき肉の平均価格は2020年初めから43%上昇した。国際通貨基金(IMF)調べでは、世界で牛肉が34%値上がりしている。
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