子会社化は「論外」、ホンダ案に日産衝撃...危機感の溝埋まらず
米国はスマーナを含めて3工場で人員を削減するが、いずれも解雇ではなく希望者による早期退職を4月から募る。別の関係者によると、東南アジア最大の拠点タイでは25年秋までに約1000人減らす予定だが、配置転換を含む数字で純粋な削減数ではない。
日産の年間生産能力は約500万台。これを26年までに足元の販売台数と同水準の350万台まで落とす。昨年11月に削減計画を発表した際、坂本副社長は工場を閉鎖せず、ラインの速度を落としたり、老朽化したラインを併存する新鋭ラインに統合するなどして達成すると説明していた。日産は世界に25の生産ラインを持つが、関係者によると、ホンダとの統合協議を始めた12月中旬以降も方針は変わらなかった。
日産とホンダの関係者によれば、日産はいずれ増産する可能性に備えているという。しかし、日産は売れる車がラインアップに少ない。トヨタ自動車やホンダと異なり、日産は世界2位の自動車市場の北米で需要が拡大しているハイブリッド車を投入できておらず、EV人気が高い最大市場の中国でも現地メーカーに押されている。
英調査会社ペルハム・スミサーズ・アソシエーツの自動車産業アナリスト、ジュリー・ブート氏は「これは(日産の)マネジメントの問題だ」と指摘。「彼らは自分の立場やブランド価値、そして事業を立て直す能力を完全に過大評価している」と話す。
一方のホンダも決して安泰ではない。堅調な業績は二輪事業が下支えしており、年間の営業利益率は10%以上の二輪に比べ、四輪は5%未満と低水準のまま。特にこれまで稼ぎ頭だった中国で販売が低迷している構図は日産と同じだ。
だが、ホンダは中国の生産能力を今期中に146万台から96万台まで削減する。また、同社関係者によれば、中国だけでも2年弱で1万人近くを削減しており、ホンダよりも業績の悪い日産の再生計画が「26年度までに世界で9000人削減」にとどまることを疑問視する。
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