子会社化は「論外」、ホンダ案に日産衝撃...危機感の溝埋まらず
「ホンダには幸運」
日本で初めて国産乗用車を手掛けた「快進社」をルーツとする日産、第2次世界大戦後に自転車用補助エンジンの町工場として始まったホンダは、そもそも企業文化が違いすぎてなじまない――。両社の関係者らはそうみている。日産はトヨタ自動車と並ぶ日本の2大自動車メーカーとして長らく国内市場を中心に成長してきたが、早くから米国に活路を求めたホンダが今では販売台数で上回る。
「ホンダが日産との統合を検討したのは戦略的に大きな間違いだった」。日本株投資に助言するアシンメトリック・アドバイザーズのアミール・アンバーザデ氏は言う。「日産が子会社化案を拒否したのは、ホンダにとって幸運だった。ホンダは先の見えない統合協議から無傷で逃れられた」と語る。
両社は13日に24年4━12月期決算発表を予定する。同日に開く取締役会で統合協議の打ち切りを正式に決める見通しだ。両社とも決算会見で理由や今後の方針を説明する必要があり、とりわけ日産には事業再生計画の実効性を具体的に示すことが求められる。
日産関係者らは、テクノロジー企業などの自動車メーカー以外も含めた新たなパートナー探しの可能性に言及している。日産に関心を示している鴻海精密工業との協業を検討することも排除していない。
「これから誰と組むにしても、まずはリストラ。ターンアラウンド(再生計画)で膿を出すのが先決だ」と日産関係者は話す。「子会社化されなくてよかったが、客観的に見れば、今の日産がいかに駄目かが浮き彫りになった」。
(白木真紀、Daniel Leussink、白水徳彦 編集:久保信博)
![トムソンロイター・ジャパン](/stories/2018/05/22/save/710x28Reuters.gif)