中国経済に絶望するのはまだ早い
中国が消費の低迷やデフレ圧力に対処するには、金利や財政支出といった「通常」の政策手段より、構造的問題に取り組む抜本的な改革が必要だ。
土地、資本、労働力の市場主導による配分を進めれば生産性が高まり、国民がより多くの金を稼ぐ機会を得られる。それが消費や投資の増加、信頼感の高まり、そして何より生活の質の向上につながるだろう。
このような改革は極めて複雑で慎重に取り組む必要があるが、適切に行えば非常に大きな成果が期待できる。
中国は計画経済から準市場経済へ移行することで、数十年にわたり驚異的な成長を達成してきた。今も残る制約的な計画経済の遺産を取り除けば、再び成長の波がもたらされる可能性はある。
ナンシー・チエン
NANCY QIAN
米ノースウェスタン大学教授(経済学)。同大学の中国経済研究所の所長とグローバル貧困研究所の共同所長も務める。
2025年2月11日号(2月4日発売)は「中国経済ピークアウト」特集。人類史上かつてない人口減で「アメリカ超え」に赤信号 [PLUS] DeepSeekの実力
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら