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米印関係

「考え方が瓜二つ」トランプとモディがもたらす、「米印関係の重大なリスク」とは?

TRUMP’S RETURN IS AN OPPORTUNITY FOR INDIA

2024年12月11日(水)10時25分
アルビンド・スブラマニアン(元インド政府首席経済顧問)

さらにFTAは、低迷するインドの製造業を復活させるチャンスにもなる。トランプは米国内での製造を重視しているが、FTAがあれば国内産業がインドに奪われるという懸念を和らげられる。

市場自由化には政治的な抵抗が伴いがちだが、インドの場合はそうでもないかもしれない。アメリカからの輸入製品の大半がエネルギー関連製品か金で、自由化に反対する声の少ない分野だからだ。一方、輸出では宝石や医薬品、衣料品、機械などの主要産業がこぞって恩恵を享受できる。


トランプは存在しない問題をでっち上げて、関税絡みの圧力を課しているようにもみえる。それでも、インドにとっては中国から流出する資本を呼び寄せ、アメリカとの協力を促進する格好の機会だ。モディ政権は今すぐ、トランプの妄想をインドのチャンスに変えるべきだ。

©Project Syndicate


newsweekjp_20240827020921.pngアルビンド・スブラマニアン
ARVIND SUBRAMANIAN
インドの経済学者。ピーターソン国際経済研究所の上級研究員、ハーバード大学ケネディ政治学大学院の客員講師。2014~18年にかけては、インド政府の首席経済顧問を務めた。

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