中国半導体業界、トランプ政権下の米中対立に備え戦略模索
11月8日、中国の半導体業界はトランプ次期米大統領の下での米中対立に備え、半導体製造装置の輸入拡大や、海外の人材採用、新たな提携の機会などを模索している。写真は北京の半導体工場で2020年5月撮影(2024年 ロイター/Thomas Peter)
中国の半導体業界はトランプ次期米大統領の下での米中対立に備え、半導体製造装置の輸入拡大や、海外の人材採用、新たな提携の機会などを模索している。
トランプ氏の大統領選勝利後に中国の半導体企業や団体、アナリストが発表した30以上の記事や調査リポートによると、トランプ氏の政策により疎外される国や企業との緊密な連携、自給自足体制の強化などが検討されている。
トランプ氏は1期目の任期中、通信複合企業の華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)を「エンティティーリスト」に追加し、米国製部品の購入を制限した。一方、バイデン政権は中国企業が米国製の先端半導体を入手できないよう広範な輸出規制を導入した。
北京半導体行業協会の幹部は7日に「微信(ウィーチャット)」に掲載された記事で、半導体企業に対し海外事業を強化し進出先を多様化するよう促した。
対中制裁のための日米欧の協調がトランプ政権下で弱まれば、特定の半導体の輸入を再開するチャンスがあるかもしれないと述べた。またトランプ政権が1期目のように、中国の学生や専門家が米国で働きにくくなる政策を実施すれば、中国企業は海外の人材誘致に乗り出すべきだと訴えた。
「トランプ氏の就任後、専門的な人材、多国籍企業、海外との協力といった面で、中国半導体産業の発展に利益がもたらされる可能性がある。新しい状況や変化にタイムリーに適応すべきだ」と指摘した。
また多くの記事は、トランプ政権下で中国半導体業界に対する輸出規制や関税が一段と強化されると予想し、自給体制の拡充を目指すべきと主張している。