習近平は「総書記」と「国家主席」どちらが正しいのか?...中国政治システムの「本音と建前」
日本では「選挙で選ばれた政治家」と、「試験を受けて公務員になった官僚」は明らかに別です。たとえば外務省であれば、大臣、副大臣、政務官は政治家で、その外の人たちは公務員と線引きされていますが(たまに民間登用の大臣もいますが)、中国はそこが不明。
秦剛外相は選挙というものを一回も経験しないまま、国務院の公務員から外務大臣になりました。一方、共産党の全人代で選ばれた王毅前外相は、「国務院の外相」の座を退いてからも、依然として共産党政治局の “外交担当” のまま。
彼は「国務院(政府)の外務大臣よりも偉い、共産党政治局の外務担当者」という二重構造になっています。
共産党員でなくても閣僚になった人はいるといいますが、その活躍にはおそらく限界はあります。さらに上の政府高官を目指すなら、中国では共産党員であることが必須でしょう。
『教養としての世界の政党』
山中俊之[著]
かんき出版[刊]
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<著者プロフィール>
山中俊之
◉─著述家・コラムニスト。歴史、政治、芸術、宗教、哲学、ビジネスなどの視点から、世界情勢について執筆活動を展開。
◉─1968年兵庫県西宮市生まれ。東京大学法学部卒業後、1990年に外務省入省。エジプト、英国、サウジアラビアに赴任。対中東外交、地球環境問題、国連総会、首相通訳(アラビア語)を経験。エジプトでは庶民街でエジプト人家庭に下宿。外務省退職後、日本総研でのコンサルタントを経て、2010年株式会社グローバルダイナミクスを設立。世界各国の経営者・リーダー向け研修において、地球の未来を見据えたビジネスの方向性について日々活発な議論をしている。芸術文化観光専門職大学教授、神戸情報大学院大学教授。長崎市政策顧問として地域創生を支援。神戸市のボランティア団体で、ホームレス支援に従事。
◉─2024年6月現在、全世界97カ国を訪問して、農村・スラムからミュージアム、先端企業まで徹底視察。大阪大学大学院国際公共政策博士、ケンブリッジ大学修士(開発学)、ビジネスブレークスルー大学院大学MBA、高野山大学修士(仏教哲学・比較宗教学)、京都芸術大学学士(芸術教養)など取得。リスキリングについても活発な提案をしている。
◉─著書に、『「アート」を知ると「世界」が読める』(幻冬舎新書)、『「世界の民族」超入門』『世界5大宗教入門』(ともにダイヤモンド社)などがある。
2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む
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