習近平は「総書記」と「国家主席」どちらが正しいのか?...中国政治システムの「本音と建前」
合議制の常務委員にはある程度の意味がある
<中国の政治システム2「共産党中央委員会」>
さて、実際に国を動かしている共産党は、5年に一度「党大会」を開催。政治の中枢である「共産党中央委員会」のメンバーおよそ200名を決める “共産党の選挙” です。
中央委員会は党大会のすぐ後に “共産党のトップであり国の内閣” の役割である25人ほどの政治局員、その上のレイヤーである7人の政治局常務委員で、総書記を決める会議を行います。
その翌年に開かれる「全国人民代表会議」で国家主席が選出される──いやいや、事実上すでに決まっていて “出来レースでシャンシャンシャン” なわけですが──というプロトコルになっています。
2018年の憲法改正は、世界に衝撃を与えました。「常務委員は67歳が定年、総書記は2期まで」となっていたものの、「憲法を含むすべてのルールは事実上共産党の思いのまま」ですから、習近平総書記は在任中に「2期制をやめましょう」と改正。
総書記の座を守ったばかりか、側近で固めた常務委員の定年も事実上 “なし” になりました。
さらに2022年には、世界中が注目する中で、前総書記の胡錦濤が腕をつかまれて退場するという衝撃的なシーンもありました。
中国は儒教の国です。私も「何だかんだ言いつつも年上を尊重する文化が今でもある」と思っていただけに強い衝撃を受けました。健康上の理由と発表されましたが、「いや、無理矢理連れ出されたのだ」という意見もあり、真相は明らかにされていません。