結局「ポピュリズム」とは何なのか...世界中が「極端な政党」に熱狂する理由

2024年11月20日(水)17時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

今、世界で盛り上がるポピュリズムは、従来の「大衆vs.既得権のある富裕層」に加えて、「大衆vs.移民」の対立構造です。

大衆はエリートや富裕層を憎んでいますが、「グローバル経済で格差が拡大したのも、自分の職が奪われるのも、全部移民のせいだ」とわかりやすい敵に飛びつき、排外的になっています。


それが「国の伝統と誇りを取り戻そう。グローバルとかもういらない。移民を追い出して、昔ながらの国になろう」という右派ポピュリズムの主張と結びついてしまいました。

さらに、国際機関に対する懐疑的な姿勢も顕著です。西欧では、反EUという形で多くの国民の支持を集めています。右派ポピュリズムに位置づけられるトランプ氏は、NATOからの脱退すら主張しそうです。

冷戦期の右派、たとえばサッチャー英首相(在任期間、1979年〜1990年)やレーガン米大統領(任期、1981年〜1989年)が、国際機関に協力的であったこととは対照的です。

また、LGBTQの権利保護にも後ろ向きである点も、特徴として挙げておいてよいでしょう。

激しい “ポピュリズム旋風” 

このような右派ポピュリズムは、たとえば、ハンガリーのオルバーン首相がトランプ氏を訪問するなど政治家同士が相互訪問・会談をして、連帯の動きすら見せています。世界各地に展開するグローバル企業にとっては、看過できない動きでしょう。

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