ハリス氏惨敗の背景に「アメリカ中流階級の生活苦の悲鳴」が聞こえる
CASH CRUNCH
フロリダ州ケープコーラルに住むジョン・オルセン(53)も、そのような不安を痛感している。犬の誕生パーティー用品などを取りそろえたオンラインショップ「ポーティーエクスプレス・ドットコム」を経営するオルセンは、燃料費や食品価格の上昇などにより膨れ上がる事業経費に苦しめられている。
いまオルセンはクレジットカードの債務を抱えていて、会社が廃業に追い込まれるのではないかと恐れている。バイデンが言う「ソフトランディング」どころの話ではない。
「政府は私たちをだまそうとしているのではないか」と、オルセンは言う。「普通の人たちの感覚に比べて、信憑性の乏しいデータを基に発言しているように思う」
オルセンによれば、ビジネスオーナーとして最も手ごわく感じる問題はインフレだという。22年には、1981年以来最悪の9.1%までインフレ率が上昇したこともあった。
例えば、オーガニックチキンの仕入れ値は、ここ数年で2倍に跳ね上がった。これでは、ウォルマートや、ペット用品オンライン販売大手のチューイーといった大型チェーン店とは競争できない。
卵やガソリン、自動車保険といった基本的な生活用品やサービスの価格も、コロナ禍前と比べると大幅に上昇している。