ハリス氏惨敗の背景に「アメリカ中流階級の生活苦の悲鳴」が聞こえる
CASH CRUNCH
クレカ債務という甘い誘惑
ピュー・リサーチセンターの調査によると、6月の時点で、シリアルや牛乳など朝食の定番品の価格は、20年1月と比べて約40%も高かった。食品全般で見ても、19〜23年の4年間で25%上昇と、住宅価格や娯楽費、医療費などの上昇を上回っている。
米農務省によると、同時期に輸送コストも27.1%上昇した。ただ、ガソリンの小売価格は乱高下が激しい。6月の小売価格は20年1月と比べると35.9%高かったが、7月下旬には1ガロン当たり3.598ドルと、22年半ばのピーク時と比べれば半額近くまで下がっている。8月半ば過ぎには3.382ドルと、1年前よりもわずかに安くなっている。
これに対して6月の自動車保険料は、20年1月と比べて47.3%も上昇した。その背景には、修理費の上昇(47.5%)がある。
「今は自宅のソファに寝転がっているしかない。ここ6〜7回企画したイベントは、利益がほとんど出なかったから」と、オルセンはため息をつく。「2年半前は年40〜50%のペースで売り上げが伸びていたのに、今はゼロに近い」
首都ワシントンに住むアディソン・ムーア(24)は、2つのアルバイトを掛け持ちしながら、職業訓練学校に通っている。月収600ドルでは贅沢をする余裕はほとんどなく、目先の数カ月を乗り切れるか考えるだけで精いっぱいだ。