これで米大統領選と「その後」がさらに理解できる...「アメリカ」をもっと深く知るための本
『超一極集中社会アメリカの暴走』
著者:小林由美
出版社:新潮社
要約を読む
「0.1%の超富裕層が世のすべての富を奪っていく社会」。背筋が凍るような言説ですが、それが現在のアメリカだと本書は説きます。
大手IT企業が次々とイノベーションを起こし、巨万の富を蓄えていく一方で、工場閉鎖により失業に追い込まれる人は少なくありません。また昨今は、高額の学費を払うため多額の借金をして大学に入学したものの、その返済が追いつかない若者たちの「学生ローン問題」もクローズアップされています。
本書は2017年の出版ですが、一極集中はさらに広がっているようにも見えます。大統領候補者たちはこの問題をどう解決するつもりなのか。彼らの演説に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
『大分断』
著者:タイラー・コーエン
翻訳:池村千秋
解説:渡辺靖
出版社:NTT出版
要約を読む
「がんばれば誰もが成功と富を手にできる」と信じられていた「アメリカンドリーム」も、いまや空前の灯。ちょっとやそっと努力しても、成功することは難しい──。ならば、「現状に満足して生きよう」という「現状満足階級」の出現を解説したのが、本書『大分断』です。
日本でも若い世代を中心に「ガツガツしないで、今の生活を維持できればいい」という傾向は見られますが、本書では「現状満足階級の平和と平穏は長く続かない」と、厳しい見解を示します。
「活力が失われた社会」はどこへ行きつくのか。著者の予測にひやっとするのは、筆者だけではないはずです。