最新記事
製造

アップルが中国から手を引く理由...iPhone製造の中心はインドへ?

2024年7月12日(金)12時39分
アーディル・ブラール
インド国旗とiPhone

oasisamuel-shutterstock

<今や主要製品の14%をインドで製造しているアップル。中国サプライチェーンからの撤退が続く背景には、地政学以外の要因も──>

「まだまだ日本人が知らない 世界のニュース50」中国は長年、アップルの看板商品iPhoneの製造を独占していたが、インドの製造拠点が生産を増やすなか、それも終わるかもしれない。

「今やアップルは主要製品の14%をインドで製造している」と、ブルームバーグは4月に報じた。アップルは今年3月期に140億ドル相当のiPhoneをインドで製造し、生産額は前年度から倍増した。


専門家は、アップルが今後も中国のサプライチェーンから撤退を続けるとみている。米トランプ前政権が始めた中国との貿易戦争で、中国のアップルの製造拠点は苦境に立たされた。続くバイデン政権も、中国企業のテクノロジーに規制を課している。

ただし、地政学的な要因だけでアップルが中国から手を引いているわけではない。

iPhoneやマックブックなどの主要商品について、アップルは台湾のフォックスコン(鴻海科技集団)と製造契約を結んでいる。これまでは中国の同社と提携していたが、最近その製造コストが上がったため台湾に切り替えたのだ。

そしてインドも、企業への報奨金制度を設けるなど、この機を逃すまいと動いている。リスク分散したいアップルにとっても、インドに製造拠点を増やすのは合理的だ。

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ブリストル・マイヤーズの心臓病薬、後期試験で主要目

ワールド

韓国・ベトナム、経済協力拡大で閣僚合意 米関税対応

ビジネス

米ファイザー、肥満症経口薬の開発を中止 肝障害誘発

ワールド

EU、パレスチナ自治政府への資金援助拡大 改革促す
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    米ステルス戦闘機とロシア軍用機2機が「超近接飛行」…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中