ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い叩かれる理由とは
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<ロシア・ガスプロムが対中輸出で大幅赤字。当初の黒字予測を大きく外している理由について>
ロシア国営の天然ガス企業ガスプロムの業績が急激に悪化している。
5月2日に発表された2023年12月期決算で、最終損益が6290億ルーブル(約1兆600億円)の赤字に転落。予想されていた4470億ルーブル(7500億円)の黒字と懸け離れた結果を受けて、株価が3.5%下落した。
同社は世界金融危機やコロナ禍、さらにはウクライナ侵攻に対する西側諸国の経済制裁も乗り越えて黒字を維持してきた。
にもかかわらず、1999年以来24年ぶりの赤字に転落したのは、ウクライナ危機による欧州での売り上げ減少を中国への輸出拡大で穴埋めできていないためだ。
その理由は、中国へのガス販売価格が低く抑えられていることにある。現在、中国向けの価格は1000立方メートル当たり257ドルと欧州向けの320ドルより割安で、今後さらに下がるとみられる。
ガスプロムの経営幹部は中国での売り上げが4兆ルーブル(6兆7400億円)に達すると予測していたが、実際は3兆ルーブル(5兆600億円)にとどまっている。