最新記事
グリーン投資

地球に優しい資産運用「グリーン投資」の手引き(前編)

INVESTING IN A GREENER WORLD

2024年1月18日(木)16時00分
ペネロペ・ワン(金融ライター)

「このような商品が急激に増えていることから、本当に価値があるかどうかを消費者が見極めなければならないときもある」と、サステナブル投資について投資家や資産アドバイザーと協力している資産運用会社エシックのジェイ・リップマン共同設立者兼社長は言う。「品質にもかなりばらつきがあって、金融商品が提唱していることを本当に実行しているかどうか、消費者も責任を持って評価する必要がある」

ニーズに合った選択肢を見つけることは、実はそれほど難しくはない。自分にとって最も重要な問題に焦点を絞り、堅固な実績と優れた将来性に注目するという戦略を組み合わせれば、利益を積み重ねていくことができるだろう。そもそも投資の目的は利益を得ることだ。

賢明な選択をするために必要な戦略を具体的に見ていこう。

どこまでグリーンな投資を目指すのか

240123p46_GTS_02howgreen_bentd.jpg

ILLUSTRATION BY BRITT SPENCER

グリーン投資の最初の一歩は、どの環境問題が自分にとって最も重要なのかを決めることだと、サステナブル投資について助言しているブルー・オーシャン・グローバル・ウェルスのCEOでファイナンシャルプランナーのマルゲリータ・チェンは言う。

「全ての条件を満たすファンドはないから、自分の目標に優先順位を付けることが重要だ」

あなたが最も関心のある環境問題は何であり、その解決に役立ちそうな投資戦略はどのようなものか。

化石燃料を採掘している企業や公害を引き起こしている企業など、特定の種類の企業を避けたいだけなのか。炭素回収や代替エネルギーなど、特定の持続可能性の目標に絞ったファンドを求めているのか、それとも投資戦略全体に環境問題を組み込んでいるESGファンドを望んでいるのだろうか。

さらに、自分がどこまでグリーン投資にこだわるのか、つまり、貯蓄のうちどの程度をグリーン投資に投じるつもりかということや、他の投資や全体的なファイナンシャル計画との関係も検討する。

さまざまな業種の株式や債券、現金などを幅広く組み合わせて保有するファンドは、リスクとリターンのバランスを取りやすい。価格の急落や急騰の影響は小さくなるだろうが、長期的なリターンはやや少なくなる可能性がある。

一方で、特定の環境目標に絞ったファンドは銘柄の多様性が薄れる。その場合、価格変動の影響は大きいが、将来的には、幅広い投資戦略より大きなリターンを得られる(あるいは、より大きな損失を出す)可能性がある。

キャリア
企業も働き手も幸せに...「期待以上のマッチング」を実現し続ける転職エージェントがしていること
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国との建設的な対話に全面的にコミット=ゼレンスキ

ワールド

米、ロシアが和平合意ならエネルギー部門への制裁緩和

ワールド

トランプ米政権、コロンビア大への助成金を中止 反ユ

ワールド

ミャンマー軍事政権、2025年12月―26年1月に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題に...「まさに庶民のマーサ・スチュアート!」
  • 3
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMARS攻撃で訓練中の兵士を「一掃」する衝撃映像を公開
  • 4
    同盟国にも牙を剥くトランプ大統領が日本には甘い4つ…
  • 5
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    テスラ大炎上...戻らぬオーナー「悲劇の理由」
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    ラオスで熱気球が「着陸に失敗」して木に衝突...絶望…
  • 10
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 4
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 5
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 6
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 7
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 8
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性…
  • 9
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中