地球に優しい資産運用「グリーン投資」の手引き(前編)
INVESTING IN A GREENER WORLD
「このような商品が急激に増えていることから、本当に価値があるかどうかを消費者が見極めなければならないときもある」と、サステナブル投資について投資家や資産アドバイザーと協力している資産運用会社エシックのジェイ・リップマン共同設立者兼社長は言う。「品質にもかなりばらつきがあって、金融商品が提唱していることを本当に実行しているかどうか、消費者も責任を持って評価する必要がある」
ニーズに合った選択肢を見つけることは、実はそれほど難しくはない。自分にとって最も重要な問題に焦点を絞り、堅固な実績と優れた将来性に注目するという戦略を組み合わせれば、利益を積み重ねていくことができるだろう。そもそも投資の目的は利益を得ることだ。
賢明な選択をするために必要な戦略を具体的に見ていこう。
どこまでグリーンな投資を目指すのか
グリーン投資の最初の一歩は、どの環境問題が自分にとって最も重要なのかを決めることだと、サステナブル投資について助言しているブルー・オーシャン・グローバル・ウェルスのCEOでファイナンシャルプランナーのマルゲリータ・チェンは言う。
「全ての条件を満たすファンドはないから、自分の目標に優先順位を付けることが重要だ」
あなたが最も関心のある環境問題は何であり、その解決に役立ちそうな投資戦略はどのようなものか。
化石燃料を採掘している企業や公害を引き起こしている企業など、特定の種類の企業を避けたいだけなのか。炭素回収や代替エネルギーなど、特定の持続可能性の目標に絞ったファンドを求めているのか、それとも投資戦略全体に環境問題を組み込んでいるESGファンドを望んでいるのだろうか。
さらに、自分がどこまでグリーン投資にこだわるのか、つまり、貯蓄のうちどの程度をグリーン投資に投じるつもりかということや、他の投資や全体的なファイナンシャル計画との関係も検討する。
さまざまな業種の株式や債券、現金などを幅広く組み合わせて保有するファンドは、リスクとリターンのバランスを取りやすい。価格の急落や急騰の影響は小さくなるだろうが、長期的なリターンはやや少なくなる可能性がある。
一方で、特定の環境目標に絞ったファンドは銘柄の多様性が薄れる。その場合、価格変動の影響は大きいが、将来的には、幅広い投資戦略より大きなリターンを得られる(あるいは、より大きな損失を出す)可能性がある。