最新記事
ビジネス

役に立つのは「1年前のカレンダー」...会社と世の中をつなぐ広報の立場から見た、PRの基本とテクニック

2023年12月7日(木)17時40分
flier編集部

小野:そのネタから派生して考えていくと、結構いろんな切り口が見つかるんです。このやり方がいちばん手っ取り早いと思います。

井手:確かに過去に成功した例から紐解くと打率が高そうです。この視点があるだけでゼロから1になるのも大きいですね。ネタがなくてアイデアが出ない時間というのは辛いもので、困って社内のデータとにらめっこしているというのはよくある話です。

小野:そういうときには「答えは社内にはない」と思うことです。世の中に答えを探しに行き、その答えに対して自社のサービスがどういうアンサーが出せるかを考えた方が、正しい道に進みやすいと思いますね。

井手:ヒントは必ず外にあるということですよね。

1つのネタで複数の文脈を考える

井手:ネタの賞味期限についても伺いたいです。情報がどんどん早くなり、広報ネタの賞味期限もどんどん短くなっていっている感覚があるのですが。

小野:自分が扱おうとしているネタに、どういう賞味期限ラインがありそうかということを見極めておいた方が良いですね。

1個のネタでも文脈を変えるだけで、ニュースとしてはたくさん出せる場合があるんです。そこを見極めて、1つだけではなくいくつかの文脈を作っておくことが大事です。

井手:「〇〇×猛暑」とか「〇〇×行楽シーズン」とか、掛け算の要領で文脈を考えていくとわかりやすいかもしれませんね。

1個のネタで露出がたくさん獲れた方が圧倒的に省エネですからね。

小野:あとは出す媒体によって切り口を考えるのも良いと思います。

夕方のニュース番組なら〇〇の切り口、お昼のバラエティ番組なら□□の切り口、という感じです。実際に取り上げられているイメージを膨らませながら考えられるので、私はこのやり方を使っています。

井手:広報の重要性から実際のテクニックまで幅広く教えていただき、ありがとうございました!


広報・PRパーソンの小野茜氏

小野茜(おの あかね)

1981年、千葉県生まれ。カフェ・レストラン・ホテル等の現場経験、外食業界向けニュースメディアでの執筆・編集経験を経て、2012年に株式会社ABC Cooking Studioに入社。広報として企業広報および商品・サービス広報全般を担当した後に、新規事業開発・アライアンス担当へ。料理教室をプラットフォーム化し、「作る・食べる・触れる・知る」という体験の場として異業種とのアライアンスに積極的に取り組んだ。約5年在籍した後、2017年1月に独立。あらゆる企業の広報活動を社外から支援する広報パーソンに。2018年から3年間は宮崎県へ移住し地方創生の観点から広報活動に携わり、2021年より東京に戻り多種多様な企業の広報支援に携わる。

◇ ◇ ◇


flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。

通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されており、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

このほか、オンライン読書コミュニティ「flier book labo」の運営など、フライヤーはビジネスパーソンの学びを応援しています。

flier_logo_nwj01.jpg

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルとハマス、ガザ停戦で合意 19日に発効

ビジネス

NY連銀総裁「金融政策はデータ次第」、政府巡る不確

ビジネス

米経済活動、小幅から緩やかに拡大 見通しは楽観的=

ビジネス

米CPI、インフレ圧力緩和継続を示唆=リッチモンド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    ド派手な激突シーンが話題に...ロシアの偵察ドローンを「撃墜」し、ウクライナに貢献した「まさかの生物」とは?
  • 4
    韓国の与党も野党も「法の支配」と民主主義を軽視し…
  • 5
    【随時更新】韓国ユン大統領を拘束 高位公職者犯罪…
  • 6
    中国自動車、ガソリン車は大幅減なのにEV販売は4割増…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険
  • 9
    「日本は中国より悪」──米クリフス、同業とUSスチ…
  • 10
    TikTokに代わりアメリカで1位に躍り出たアプリ「レ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 9
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 10
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中