役に立つのは「1年前のカレンダー」...会社と世の中をつなぐ広報の立場から見た、PRの基本とテクニック
小野:そのネタから派生して考えていくと、結構いろんな切り口が見つかるんです。このやり方がいちばん手っ取り早いと思います。
井手:確かに過去に成功した例から紐解くと打率が高そうです。この視点があるだけでゼロから1になるのも大きいですね。ネタがなくてアイデアが出ない時間というのは辛いもので、困って社内のデータとにらめっこしているというのはよくある話です。
小野:そういうときには「答えは社内にはない」と思うことです。世の中に答えを探しに行き、その答えに対して自社のサービスがどういうアンサーが出せるかを考えた方が、正しい道に進みやすいと思いますね。
井手:ヒントは必ず外にあるということですよね。
1つのネタで複数の文脈を考える
井手:ネタの賞味期限についても伺いたいです。情報がどんどん早くなり、広報ネタの賞味期限もどんどん短くなっていっている感覚があるのですが。
小野:自分が扱おうとしているネタに、どういう賞味期限ラインがありそうかということを見極めておいた方が良いですね。
1個のネタでも文脈を変えるだけで、ニュースとしてはたくさん出せる場合があるんです。そこを見極めて、1つだけではなくいくつかの文脈を作っておくことが大事です。
井手:「〇〇×猛暑」とか「〇〇×行楽シーズン」とか、掛け算の要領で文脈を考えていくとわかりやすいかもしれませんね。
1個のネタで露出がたくさん獲れた方が圧倒的に省エネですからね。
小野:あとは出す媒体によって切り口を考えるのも良いと思います。
夕方のニュース番組なら〇〇の切り口、お昼のバラエティ番組なら□□の切り口、という感じです。実際に取り上げられているイメージを膨らませながら考えられるので、私はこのやり方を使っています。
井手:広報の重要性から実際のテクニックまで幅広く教えていただき、ありがとうございました!
小野茜(おの あかね)
1981年、千葉県生まれ。カフェ・レストラン・ホテル等の現場経験、外食業界向けニュースメディアでの執筆・編集経験を経て、2012年に株式会社ABC Cooking Studioに入社。広報として企業広報および商品・サービス広報全般を担当した後に、新規事業開発・アライアンス担当へ。料理教室をプラットフォーム化し、「作る・食べる・触れる・知る」という体験の場として異業種とのアライアンスに積極的に取り組んだ。約5年在籍した後、2017年1月に独立。あらゆる企業の広報活動を社外から支援する広報パーソンに。2018年から3年間は宮崎県へ移住し地方創生の観点から広報活動に携わり、2021年より東京に戻り多種多様な企業の広報支援に携わる。
flier編集部
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