ホリエモン、落合陽一、見城徹...箕輪厚介が「大物」たちの懐に入り、仕事を成功させてきた「秘訣」とは
『かすり傷も痛かった』で「脱競争」を謳ったワケ
──これまでの箕輪さんの考え方とかなり変化があるように思いました。転換点はありましたか?
文春砲で一時期仕事がなくなったからですよね。当時はちょうどマレーシア移住を考えていたりして、熱狂が冷めかけていたタイミングだったんですが、走り続けていたレールって降りにくい。でも、あのときはNewsPicks Bookの編集長をやめたし、半ば強制的にレールから降ろされたようなもの。それまでは自分の本がAmazonランキング上位を独占してないと恥ずかしいと思っていたし、本屋さんに行っても自分の本がランクインしてないとダサいと思っていた。ある種、競争中毒だったけれど、一旦競争から降りたら別にどうでもいいわって。『かすり傷も痛かった』では「脱競争」と書いているんですが、競争にとらわれなくなってよかったと思っています。
ただ、最初から「ゆるくいこう」は違うと思っていて。ある程度競争で勝ってきて、時間もお金も余裕ができてからでないと、「脱競争」とか言ってもしんどいだけ。よほど自分の価値観を持っている人じゃないと資本主義のレースから逃げるのは難しい。何かの領域で結果を出してから、競い合いを続けていくか、自分なりのレースをつくるのかを選ぶと思うんですよ。
──まるで「守破離」みたいですね。
まさにまさに。僕にとって見城さんとかホリエモン(堀江貴文さん)のビジネス書に書いてあることを、誰よりも実践して、徹底的にインストールする。これが「守」にあたります。
ライトな自己啓発書は、よく「ファスト教養」って馬鹿にされるんですけど、そんなことなくて。こういうビジネス書は、誰が読んでも仕事をするうえでのベースとして役立つと思う。僕も徹底的に「守」をやることで仕事でも結果を出せた。その後、仕事がなくなって自分と向き合うことが「破」になって、まだ「離」には至ってないけれど、自分流みたいな感じになってきているんですかね。
怪獣人間を面白がるには、「人間に対する解像度」を上げよ
──怪獣人間は人の本質もズバっと見抜くため、こちら側の人間性も丸裸にされると思います。彼らに信頼されるには「人間に対する解像度」を上げることが必要とありましたが、箕輪さんが実践してきたことがあれば、お聞きしたいです。
「この人、何考えているんだろう?」って永遠に考えているんですよね。学生のときから「箕輪に分析されたくない」って言われていたんですよ(笑)。プールで3時間くらい人の分析をしていたから。