最新記事
インフレ

物価高はクリスマスの子供も直撃 今年はサンタクロースの袋が軽めに

2023年11月20日(月)11時52分
ロイター

ブラックフライデーに注目

トランスフォーマーやスパイダーマンのようなフィギュアは全世界の売上高が今2%落ち込むとユーロモニターは予測している。

需要の減退を見込んで、すでに余剰在庫を抱えている小売業者の多くが今年は発注を例年よりも減らしている。つまり人気商品はすぐに売り切れる可能性があるということだ。

年末商戦を占う手掛かりとなるのがブラックフライデーの動向だ。マテルの社長兼最高商業責任者(CCO)、スティーブ・トッツケ氏は13日、「一部ですでにブラックフライデーの先行セールが始まっている」と話した。

マテルは先月、第3・四半期末の在庫水準が前年同期比で2桁減少したと発表した。

MGAは「慎重かつ保守的に」臨みたいため製品の発注と製造を圧縮したが、その結果、いくつかの新製品の供給が不足する見込みだとラリアン氏は明かした。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス傘下の貿易データ会社パンジバによると、8月31日までの3カ月間に米国の玩具輸入はドルベースで前年比32%減少した。この時期は通常、年末商戦に向けた重要な発注時期に当たる。9月の海上輸送出荷(コンテナ数)は8%減った。

ドイツの玩具メーカー、シンバのフロリアン・シーバーCEOは「玩具市場は1年を通して落ち込んでいる」と述べた。欧州の消費者需要は昨年よりも弱く、昨年はすでに前年より弱かったという。

それでも終盤の需要増を予想する声もある。

トッツケ氏は「マテルにとって良いホリデーシーズンになると予想している。シーズン中にシェア拡大が続くと見込んでいる」と強気だ。

データ会社サーカナ(旧NPD)のグローバル玩具アドバイザー、フレデリック・タット氏によると、同社が追跡調査している国では今年1─9月に玩具の売上が前年比で約7%減ったが、クリスマス前の3週間に客足が戻る見込み。これまでに最も好調だったのはゲーム、パズル、ぬいぐるみ、組み立てセット、乗り物だ。

ただ、トイザらスやハドソンズ・ベイの元CEOで、コンサルタント会社ストーチ・アドバイザーズのCEOであるジェリー・ストーチ氏は「玩具用に残してあるお金もいくらかはあるだろうが、玩具は昨年ほど売れないというのが現実だろう」と慎重な見方を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中