虐殺を逃れて「暗闇」で6年間...厳しい経験から生まれた「すべての人に明かりをもたらす」新アイデア
災害やトラブルが起こる前に対処が可能
同社が力を入れているのは、AIを使ったプログラムの開発だ。目的は気象全般のデータと、都市における樹木の位置や地域の送電網の詳細などを示す政府のデータベースを統合すること。極端な気象現象が起きたときに、どの系統に損傷の恐れが高く、どの地域の利用者が最も影響を受けるかを予測できるようにする。
この予測ができるなら、危機が起こる前に対処が可能だ。送電線周辺の木の刈り込みや、被害を受けやすい地点の電力系統の運用見直しのほか、トラブルが予想される場所へ事前に人員を配置することもできる。
シンク・エナジーAIは、樹木による送電網へのリスクを監視するAIシステムを既に米ノースカロライナ州シャーロットに配置し、ほかの自治体とも導入に向けて協議中だ。嵐による電力系統の損失について保険会社との提携も進めている。
カベラは、ほかの気候リスクについても取り組みたいと言う。社会はAIを積極的に導入し、柔軟に問題に対応すべきだと、彼は語る。明かりに事欠く人たちに、少しでも光をもたらすための第一歩だ。
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