「∞プチプチ」なんてどう思いつくの? アイデア溢れる会議の秘訣はカプセルトイにあった
創造性は、感覚の問題ではなく、態度の問題である
──発想力や企画力を高めたい方におすすめの本は何ですか。
アイデアの選び方や研ぎ澄まし方の指針としては、先ほど述べた『アイデアのちから』がおすすめです。一方、アイデアの発散という観点でおすすめといえば、『アイデアがあふれ出す不思議な12の対話』という本です。舞台は真夜中のおしゃれなバー。「アイデア」について考え続けている酒の強い女性と、ちょっと保守的な男性。ふたりが酒を酌み交わしながら「アイデア」の本質を明らかにしていくという内容です。
僕はこれまで、「アイデアとは」みたいな話は小難しい印象を与えるので雑談のトピックにはなりえないと思っていました。でも、この本で「アイデアについてバーで楽しく語り合えるのか」と、思い込みが覆されました。心に強く残ったのは、「アイデアなどの創造性は、感覚の問題ではなく、態度の問題である」といった内容です。これは僕自身が考えてきたこととまさに同じでした。人と会話するときも、何を話すか考えるのはアイデアの発想と同じ。それに自分ですべて思いつく必要もない。人に話すとまた新たなアイデアをもらえます。「アイデアを考えるのって楽しい」という態度が身についたら最強だなと改めて思いました。
『アイデアがあふれ出す不思議な12の対話』
著者:キム・ハナ
翻訳:清水知佐子
出版社:CCCメディアハウス
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カプセルトイのすごさは、「アイデア無限増殖機」
──高橋さんは様々なワークショップでファシリテーションをされています。職場の会議をアイデアがもっと出やすい場にしたいと考える方に向けて、ファシリテーションのアドバイスをいただけますか。
1つめのポイントは、ちょうどよいお題をデザインすることです。「何でもいいから新規事業を考えて」みたいなお題だと、めざすべき方向性がわからない。逆に、問いの対象がピンポイントすぎると広がりがでない。ちょうどよい制約条件のお題を設定できれば、勝手にアイデアが集まってきます。
参考にしてほしい好例は、カプセルトイのお題です。カプセルトイ(ガチャガチャ)と呼ばれる自販機で売られている商品アイデアの制約条件は次の3つです。1つは、カプセルに入るサイズであること。2つめは、数百円の値段に収まるものであること。そして3つめは、ひとりのお客さんが何度も回したくなるラインナップであること。この条件なら、値段とサイズをイメージしてラインナップを考えるだけなので誰でも簡単に商品アイデアをつくれます。まさに「アイデア無限増殖機」なんです。