「∞プチプチ」なんてどう思いつくの? アイデア溢れる会議の秘訣はカプセルトイにあった
ファシリテーションというと、会話のデザインが注目されがちですが、それよりも、ちょうどよいお題をデザインできるかどうかが、アイデアが出やすい場をつくれるかを大きく左右します。僕は大喜利が大好きですが、大喜利が面白くなるかどうかの決め手も、司会が誰かではなく、お題が答えやすいかどうかですよね。会議の参加者目線に立つと、もし発想が広がりにくいお題が出されたときは、「こういう条件はどうか?」と制約を提案してみるのも手です。
ファシリテーションの2つ目のポイントは、参加者一人一人が考えやすいスタンスを尊重することです。企画会議のファシリテーションというと、盛り上げなきゃと思うかもしれません。ですが、参加者全員がどんどん発言しなければいけないということはまったくありません。「もっと発言していこう!」はNGワードです。僕が尊敬するアイデアパーソンは、公開アイデア会議を開催した際、議論中に「ちょっといなくなりまーす」とミュートにするんです(笑)。そして終了間際にそっと現れて、めちゃめちゃよいアイデアをいって帰っていった。会議中も同様に、黙々とメモを取りながら熟考して最後に一つアイデアを出す人がいてもいい。ファシリテーターは、参加者一人一人との関係性を築いておき、その人たちの得意な参加スタンスを尊重することが大事です。
よい問いに出合いたいなら、「問いのアイデア会議」をやろう
──アイデアが出やすい場をつくるには、問いの力も求められると思います。ここ最近、ChatGPTのような生成AIが一気に日本でも広がり、的確に問いを投げかける力はますます大事になります。よい問いを思いつけるようになるにはどうしたらよいでしょうか。
たしかに今後は、AIを上手く使える人が価値ある人材といわれるようになり、問う力はますます重要になると思います。よい問いを増やすには、アイデア企画会議をする感覚で、「問いのアイデア会議」を実施することがおすすめです。
1人で問いを考えようとすると、誰も答えられなかったり結果が出にくかったりする。たとえば、数年前のIoTブームの時代には、上司から「ネットにつないで、サブスク課金ができるおもちゃを考えられないか?」といった問いが出されるシーンをよく耳にしました。この問いに真正面から答えようとするのは少し厳しい。