「∞プチプチ」なんてどう思いつくの? アイデア溢れる会議の秘訣はカプセルトイにあった
そんなとき、「問いについて整理したいんですが」と上司に相談できるコミュニケーション力がカギになります。「アナログのおもちゃだと制限があるので、ネット上の文章や動画コンテンツも広義の"おもちゃ"と見なしませんか?」などと、みんなが考えやすいように問いをずらしてみる。このような「問いのアイデア会議」をおすすめします。
──なるほど。問いのつくり手の立場に立つと、一人でよい問いをつくらなくてはと気負わずに、「もっとよい問いはない?」と周囲に相談するほうがいいのですね。
僕は、「問い」は、「Toy(おもちゃ)」であるとよく表現しています。問いを、こねくりまわして遊べるToyとしてとらえて、何人かで問いをつくることを楽しんでみてはいかがでしょうか。
よい問いとは、自分の欲求が実現し、行動できる問いです。自分や周囲の人が「ぜひ実現したい!」と思える問いをつくるには? 解けたときに自分も幸せになれる問いなのか? そんな基準をもっておくと、よい問いをつくりやすくなります。数学の難問も、多くの数学者が魅せられるような問いだからこそ、なんとかして解こうと数学者たちを駆り立てたのだと思います。
僕自身も、「これを考えた人、変態かな?」と思われるようなアイデアを考えたいという強い欲求があるからこそ、問いを考えることに夢中になるんです。「おもちゃをつくりたい」というより、「おもちゃになりたい」と思っている節があります。自分自身がおもちゃのように、みんなに楽しまれて笑いが生まれていくような、そんな仕事を続けられたら嬉しいですね。
高橋晋平(たかはし しんぺい)
おもちゃクリエーター、アイデア発想ファシリテーター。秋田県生まれ。2004年に株式会社バンダイに入社。第1回日本おもちゃ大賞を受賞し、発売初年度にシリーズで国内外累計335万個を販売した「∞(むげん)プチプチ」など、玩具・ゲームの企画開発やマーケティングに携わる。2014年に株式会社ウサギを設立。製品や働き方、社会課題解決などを「遊び化」するプロであり、各種企業と事業を共同開発する。企画アイデアの発想セミナーやワークショップも全国で実施中。TEDxTokyoで行ったアイデア発想法のスピーチ動画は累計200万回再生。『1日1アイデア』(KADOKAWA)など著書多数。
flier編集部
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