最新記事
人材

日本企業の「人材を評価する」能力が低い訳...敏腕ヘッドハンターが教える「人を見る目」の鍛え方とは?

2023年5月18日(木)19時04分
flier編集部

230511fl_tei02.jpg

大賀:人を見る目を集合知として蓄積し、活かしている手本のような会社はありますか。

小野:リクルートはこの分野ではダントツではないでしょうか。日本企業では唯一「世界選手権」で戦える会社だと思っています。同社は、創業時から心理学を経営に取り入れ、人の研究開発機関をもつ会社でもあります。トップから末端の社員まで、会社全体で「人を見る目」を鍛える仕組みがインストールされていました。

「Aさんを抜擢したほうがいい」「Bさんは〇〇の力が足りない」などと、かなり踏み込んだ議論がなされると聞きます。社員の変化を定点観測し、その言語化を迫られる。そうするうちに評価もフェアになるし、「こういう人は伸びる」といった知見が蓄積されています。

大賀:トップだけでなく全社員が「人を見る目」を日常的に鍛えているのがポイントなのですね。

急成長をめざしたいが、「優秀だが有害な人」を雇うべき?

大賀:ご著書では、「優秀だが有害な人」をいかに見抜くかという内容が紹介されていて興味深かったです。

小野:「人としての優秀さ(優秀・平凡)」を縦軸に、「人としての善悪(有害・無害)」を横軸にとると、人を分類する4象限が生まれます。このうち「平凡で有害な人」は、その有害さを隠す狡猾さがないため、対応は比較的容易です。

厄介なのは「優秀で有害な人」です。彼らはめざましい実績を出すため重要なポジションに抜擢されやすいものの、周囲に悪影響を及ぼします。時には組織崩壊を引き起こしさえします。

大賀:幹部クラスの登用では、まさに経営者の「人を見る目」が問われますね。同僚の立場だと、「優秀で有害な人」は避けたい。けれど、企業としてはこの人のおかげで業績が伸びているとなると、ポジションから外したり辞めさせたりする判断が遅れてしまう。そういう人を雇い続けるべきかという悩みを抱えている経営者は多いと思います。

小野:経営者の立場に立つと、自社の成長を加速させるため、有害でも成果を出す人が欲しくなることも分かります。事実、急成長を果たしたメガベンチャーには、そういった人たちが居たことが多いです。ある意味で必要悪と言えなくもない。

ポイントは、こうした人物を組織のカルチャーの多様性として受け入れるのかどうかです。誰を信じて任せるか、誰を登用するか。こうした「人」の世界は正解がないだけに、経営層の多くが悩むところでもあります。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米フォード、国内で値下げを計画、潤沢な在庫を活用

ビジネス

日本のインフレ率は2%で持続へ、成長リスクは下方に

ビジネス

三菱商事、26年3月期に最大1兆円の自社株買い 年

ワールド

韓国、関税巡り米当局者との協議模索 企業に緊急支援
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 9
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 10
    トランプ政権でついに「内ゲバ」が始まる...シグナル…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中