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「書きたいことがなくていい」──コラムニストとライターは何が違うのか?

2023年4月19日(水)08時17分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

でも、ひょっとしたら勧められたのが料理の取材なら、フードライターになったかもしれませんし、スポーツの取材だったら、スポーツライターになっていたかもしれません。

良くも悪くも、「書け」て「楽し」ければ、どんなテーマでも良かったのだと思います。

以前、桜林直子さんの「世界は『夢組』と『叶え組』でできている」というnoteが話題になりました。

ここに書かれていたのが、世の中には「自分でやりたいことがある人(夢組)」と「自分にはやりたいことがない人(叶え組)」がいて、このふたつのタイプはいいチームになれるのではないかという話でした。

私もこの話に、なるほどと思ったクチで、「それでいうと、ライターは叶え組が多いな」と感じたものです。

自分の主張を書くのではなく、誰かの言葉を、よりわかりやすく翻訳して伝える仕事なのですから、ライターは成り立ちからして叶え組だと感じます。(ちなみに編集者は「夢組」タイプが多いです。彼らは、自分が実現したい企画のために、私たち「叶え組」を集めるのです)

ライターとは面白がれる人である

「ライターとは面白がれる人である」といった、たとえ話をしたあとに、私がライターにとって一番大事な素養だと感じるのは、「対象に興味を持ち、面白がれる能力」だと思っています。

もっとわかりやすくいうなら、「?」と「!」を、飽きもせずに行き来できる能力でしょうか。

ライターの仕事は(それが、常に依頼から始まる仕事なのにもかかわらず)「これって、どうなっているんだろう?」の興味からスタートし、「なるほど、こうなっていたのか!」の興奮をエネルギーにして回転する仕事です。

興味を持てなければしんどいし、取材対象(それが人であれ、事象であれ)を面白いと思えなければしんどい。しんどいだけじゃなくて、書く原稿だってつまらなくなります。

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