最新記事
文章術

評価される文章とは? 文章力より「それ以外の方が重要」な理由について

2023年4月18日(火)08時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

とくに若いころから書くことが好きで、書く仕事に憧れてきた人ほど、ライターという仕事を神格化してしまいがちだと感じます。

私は、ライターは選ばれしものにしかできない、特別な職業だとは思っていません。多くの他の職業同様、実践を経験しながら少しずつライター「らしく」なっていけばいいし、ライターに必要なのは、才能ではなく技術です。

言い換えれば、私たちはアーティストである必要はなく、私たちが目指すべきは専門技術を持ったビジネスパーソンです。

では、ライターであるために必要な専門技術とは何か。それを話す前に、ライターとはどんな仕事なのか、この本におけるライターの定義をしたいと思います。

ライターとは、日本語を日本語に翻訳する仕事

同じ「書く仕事」ですが、ライターの仕事とコラムニストやエッセイストの仕事はだいぶ違います。たとえて言うなら、お洋服のスタイリストとデザイナーくらい違う。スタイリストは、すでにある服やアクセサリーを組み合わせてコーディネートを作る人。デザイナーは服やアクセサリーそのものを作る人。まったく違う仕事です。

同じように、ライターとコラムニストやエッセイストは、職能がかなり違います。ライターは人から受け取った素材を元に、その人の意見で原稿を作る人。コラムニストやエッセイストは、素材そのものを自分で調達し、自分の意見を中心に原稿を作る人という感じでしょうか。この2つは、かなり大きな違いです。

zuhan1-20230417.jpg

『書く仕事がしたい』32-33ページより

同じ「書く仕事」のなかで、ライターの職業に一番近いのは、翻訳家だと私は思っています。とくにインタビュー原稿や書籍の原稿においては、求められている職能がとても似ていると感じる面が多々あります。

翻訳家は、たとえば英語を日本語に翻訳したり、日本語をフランス語に翻訳する仕事ですよね。それと同じように、ライターは日本語を日本語に翻訳する仕事です。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

10月の全国消費者物価、電気補助金などで2カ月連続

ワールド

サハリン2はエネルギー安保上重要、供給確保支障ない

ワールド

シンガポールGDP、第3四半期は前年比5.4%増に

ビジネス

伊藤忠、西松建設の筆頭株主に 株式買い増しで
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中