最新記事

BOOKS

年末年始に何を読む? 本の要約サービス「flier」がイチオシ本を熱くレビュー!

2022年12月22日(木)17時45分
flier編集部

編集部 石田翼のイチオシ

221221fl_nyp02.jpg

人間関係を半分降りる
 著者:鶴見済
 出版社:筑摩書房
 要約を読む

「みんなで行った旅行のあと、LINEグループでそれぞれが思い出を語っていたけれど、自分のメッセージにだけ誰も反応してくれなかった」

そう友人がこぼしていた。気持ちに余裕のあるときなら、たまたま忙しかったのだろうと流せたかもしれない。でも、一度気になりだすと、よく噛まずに飲み込んで、喉に引っかかり続けている魚の小骨のように、意識を支配してくる。

思えば、こうしたことは繰り返されてきた。FacebookやTwitterで「いいね」がつかない。mixiで誰もコメントを書いてくれない。携帯のメールやポケベルでなかなか返信が来ない。友だちが何も言わずに、他の友だちと先に帰ってしまう。両親が手のかかるきょうだいばかり相手にしている。

ウェブであろうと、リアルな場であろうと、ふとした瞬間に不安を掻き立てられる。場面やツールが変化しても、不気味なほど「密着した」この関係は、どこまでも追いかけてくる。くたびれているのに、それでも離れてしまうのは怖い。どうして、おそろしいと感じてしまうのだろう。

この本の著者は、それに対して明快な答えを用意してくれるわけではない。そもそも、答えなんてないから、みんな人間関係に悩んでいるのだ。でも、作戦をこっそり教えてくれる。「ああ、怖い」と感じる心に寄り添い、励ましてくれる。

誰にでも、「やさしい視線」と「ゆるい人間関係」が必要なのだ。本書を読めば、そこへと続く扉の場所をきっと見つけられる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、米関税による経済や物価影響を議論 3月理事

ビジネス

ステランティス、米工場で900人一時解雇へ 関税発

ビジネス

米貿易赤字、2月は6.1%縮小 前倒し購入で輸入は

ビジネス

米新規失業保険申請6000件減の21.9万件、労働
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 3
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中