最新記事

ビジネス

「何でも他人の責任」な人より、責任感の強い「優秀な人」の方が大きな失敗をする事実

2022年12月24日(土)08時53分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
責任感

SIphotography-iStock

<何でも自分で責任を背負い込む「優秀な人たち」と、不運や仕事のせいにする「成績の悪い人たち」は、何が違うのか? 「自分に厳しすぎる人」たちの思考回路について>

現代を生きる私たちに必要なのは、「折れない心」だという。そのためにも路頭に迷ったときに元の道に戻してくれる、道しるべが大切になる。全米200万人の人生を変えてきたベストセラー『9ルール──自分を変える「黄金の法則」』(大和書房)より抜粋する。

◇ ◇ ◇


失敗を人に話して、「完璧」を手放す

マラウィのムズズ大学の心理学研究者マリセン・ムウェールは、成績の悪いティーンエイジャーと成績優秀なティーンエイジャーの失敗の原因と思(おぼ)しきものを調べた。

優れた調査の例に漏れず、この調査でも僕らがうすうす感じていることが確認された。どんな人でも失敗する。それは誰だって知っている。でも、「優秀な人」が失敗すると、何が起こるのだろう?

それもお察しの通りだ。優秀な人ほどひどい失敗をする。成績の悪い人たちよりも、ずっと大きな失敗を。成績優秀な人たちは、「私のせいだ」と考える。「一生懸命やっても失敗したのは、〝私〞が力不足だったから」「〝僕〞が至らなくて、失敗してしまった」と。

成績の悪い人たちはどうだろう? 彼らは失敗を、「不運」や「仕事の難しさ」のせいにしがちだ。もちろん、泣き言も多めに言うだろう。

でも、彼らのほうが、組織や制度のせいで成功できなかったときには、素直にそう認められる。彼らのほうが自分に優しいのだ。自分にはどうしようもない要素が結果に影響した可能性を認められる。

事態がどんどん深刻になったり、求められる基準が際限なく上がったり、成績のプレッシャーが増したりするにつれて、「優秀で自分に厳しい人たち」の仲間入りをするリスクも高まる。ひょっとして、もう仲間入りした? 僕は、仲間入りしていた自覚がある。

では、どうすればいいのだろう? 一つ、できることがある。そのことをもっと人に話して、失敗を共有し、助けを求め、完璧であることを手放すのだ。すると、どうなるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中