やりたいことが見つからない...「かくれ繊細さん」の特徴と、共通する悩みの解決法
読み返すたびに気づきがあるロングセラー
──時田さんがこれまで読まれた本のなかで、かくれ繊細さんが才能を発揮していくうえでおすすめの本はありますか。
全米で400万部、世界40カ国で翻訳されたロングセラー『ずっとやりたかったことを、やりなさい』です。この本では、毎朝、頭に浮かんだことを書き出していく「モーニング・ページ」というワークがあります。「書くことがないな」という局面がきたら、それは本心にふたをしている証拠。「なぜ書くことがないと思うのだろう?」と掘り下げて書き続けると、本心を言語化できるようになります。
この本を初めて読んだときは心底悩んでいた時期でしたが、ワークの答えを書き出すなかで、「自分のやりたいことはこれなのか!」と、湧き上がる瞬間が訪れました。読み返すたびに、気づきと驚きがあり、まるで思考の森を散策しているような気分になれる一冊です。かくれ繊細さん、非繊細さんを問わず、脳内の整理に効果的です。
『いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』
著者:ジュリア・キャメロン、エマ・ライブリー
翻訳:菅靖彦
出版社:サンマーク出版
要約を読む
──最後に、時田さんがこれから挑戦してみたいことを教えてください。
あらゆる人がそれぞれの特性をもって心地よく生きられる社会づくりに寄与したいと考えています。その前提のもとで、「かくれ繊細さん」の将来の不安を減らす選択肢をつくりたいですね。たとえば、かくれ繊細さんの特性に配慮がなされるような老人ホームを整えるとか。「みんなと足並みをそろえられなくてスタッフを困らせてしまうのでは」などと不安を抱えている方がいるので。一人一人が自身の力を惜しみなく発揮できるよう後押しに、力を注いでいきたいです。
時田ひさ子(ときた ひさこ)
HSS型HSP専門心理カウンセラー
HSP/HSS LABO代表
早稲田大学文学部心理学専修卒業。生きづらさ研究歴は高校時代より35年。生きづらさを解消するヒントを得るために早稲田大学文学部心理学専修に進学。卒業時の論文テーマは、人の興味の持ち方、失い方に、学習過程を掛け合わせた視点を観察し考察する研究。さらに、思春期の子どもとの関係を改善するために、臨床心理学を大学院で学ぶ。アドラー心理学、認知行動療法、フォーカシング、退行催眠、民間の手法まで多数の心を取り扱う方法を習得するものの、自身の生きづらさの完全解明にはつながらなかった。その後、心理カウンセラーとして、HSS型HSPへのカウンセリングをのべ1万5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上、かくれ繊細さんオンラインコミュニティ主催。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版)がある。
flier編集部
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