最新記事

時間管理術

「3分は長い」時間管理が上手な人に特有のマインドとは?

2022年12月21日(水)14時52分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

挑戦を恐れるな。古いものにしがみつくな。無洗米の奇跡を忘れるな! 無洗米に出会い米を研がずに過ごす8時間が無駄とわかって数年が経過した。

人間とは忘れる生きものだとよく言うが、私はそんな忘れっぽい生きもののなかでもダントツに忘れやすいようで、無洗米と出会った奇跡を徐々に忘れ、というか、無洗米のありがたさに気づいた瞬間のあの感激が徐々に薄れ、なんと、無洗米を炊くことすら面倒だと思うようになってしまった。こうなってくると、家事拒否の最終形態ではないかと自分でも考える。

しかし、私はあきらめない。精米と無洗米を遙かに超えた先に解決策を見いだそうとしている。

今度は、炊飯済み白米のパックの登場である。悩む以前に炊けている。そのパックの白米を1ダース程度、戸棚に常備しておくことにしたのだ。

地震といった災害の多い国に住む主婦としては、ローリングストックの一品としても重宝するし、いざとなったらレンチン2分、あるいは湯煎で、きちんと炊き上がった米を食べることができ、炊けない8時間の苦悩、無洗米でも挫折した絶望がゼロになる優れものなのだ。

ちょっと値段が高いですか? 確かに。しかし自分の時間よりも高価なものなんて、この世に存在しませんと堂々としていることにした。だって、過ぎてしまった私の時間は、これから先、二度と戻ってこないのだから。

私はひとつの真実に気がついている。とても苦手な「米を研ぐ」という作業は、きっと私にとって一生続く苦手なのだ。だから、気楽にいこうと思う。

自分が楽に暮らすことができればそれでいいと、50代になって初めて気づくことができた。小さな努力を重ねればいい。誰の目から見ても、馬鹿馬鹿しいほど下らないことかもしれない。でもそんな小さな努力を重ねながら、私はギリギリで生き延びることにした。

これは、自分の周りの大切な世界を、自分や家族のために住みやすくしていく、愛の話である。


 『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術
 村井理子[著]
 CCCメディアハウス[刊]


 (※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

独メルク、米バイオのスプリングワークス買収 39億

ワールド

直接交渉の意向はウクライナが示すべき、ロシア報道官

ワールド

トランプ氏へのヒスパニック系支持に陰り、経済や移民

ワールド

イスラエル軍、ラファに収容所建設か がれき撤去し整
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドローン攻撃」、逃げ惑う従業員たち...映像公開
  • 4
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中