行き詰っている人ほど効果的...「越境」を武器に新たな勝ちパターンを作る方法
沢渡あまね氏(本人提供)
<従来のやり方ではうまくいかない時代に、働き方でも転職でも力を発揮する「越境」の利点を、『新時代を生き抜く越境思考』著者・沢渡あまね氏が語る>
2022年4月に刊行された『新時代を生き抜く越境思考』(技術評論社)の著者、沢渡あまねさんは、本書で「越境思考」の重要性を説きました。
本書によると、越境とは「組織や地域をこえて人と人とがつながり、既存の問題や課題を解決する、あるいは新たな価値を生む」こと。その例として、異動や複業、外部講座受講、ワーケーションなどが挙げられています。
フライヤーの読書コミュニティ、flier book laboのパーソナリティであり、働き方に関するベストセラーを多数出版している沢渡さん。今回テーマに選んだ「越境」とは何か、沢渡さんの「越境」の原体験はどんなものか。インタビューでお聞きしました。
※このインタビュー記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。
沢渡さんの価値観をガラリと変えた「3つの越境」
── 今回は、普段と異なる環境に身を置く「越境」がテーマでした。執筆の背景をお聞かせください。
これまでのやり方が通用しないことにモヤモヤしている人が増えつつある──。そう感じたことが、執筆のきっかけです。
私たちは今、大きな変化の時代を生きています。きっと誰もが「今までの常識はもはや通用しない」とうすうす感じていることでしょう。同時に、暮らし方や働き方を柔軟に変えていける人とそうでない人の経験格差・適応力格差が広がりつつあります。
そうした状況を目にする中で、従来のやり方、つまり見る景色やともに仕事をする仲間などを変えることによって新たな勝ちパターンやイノベーションを生み出す「越境」の考え方に注目するに至ったのです。この考え方を「自分経営の武器」としてインストールし、強く生き延びていく人が増えてほしい。そう願って執筆しました。
『新時代を生き抜く越境思考』
著者:沢渡あまね
出版社:技術評論社
要約を読む
── 本書には、越境による気づきを促進する重要な要素として「価値観の揺らぎ」が挙げられていました。沢渡さんはこれまで、どのような「価値観の揺らぎ」を経験されたのでしょうか。
3つの越境が「価値観の揺らぎ」をもたらしてくれました。日本と海外の越境、事務職と技術職の越境、大企業とベンチャー企業の越境です。
1つ目の「日本と海外の越境」は、社会人になったばかりのころ、スウェーデンとデンマークの企業を行き来したことです。