批判集中のフェイスブック、「大人」のシェリル・サンドバーグ退任で市場に衝撃
若い企業で「大人」の役割を担い続けた SCOTT EISEN/GETTY IMAGES
フェイスブックを運営する米メタのシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)が6月1日、「人生の次の段階に進むときが来た」として、今秋に退任すると発表した。
彼女は2008年の入社以降、マーク・ザッカーバーグCEOの右腕として同社の成長を牽引。また、2013年の著書『LEAN IN(リーン・イン)――女性、仕事、リーダーへの意欲』(邦訳・日本経済新聞出版)は新しいフェミニスト像を提示したと称賛され、シリコンバレーで最も影響力のある女性の1人にもなった。
退任後も取締役は継続するものの、若いスタートアップ企業を育てる上で経験豊富な「大人」の存在であり続けたサンドバーグの離脱は、衝撃をもって受け止められた。退任発表を受けて、メタ株は4%下落した。
最近の同社はユーザーや公益よりも利益を優先していると批判され、フェイスブックは「年配者」が集う場であるとされるなど、成長の頭打ちを指摘する声もある。
テック界の巨人にとって「大人の退場」は吉と出るか凶と出るか。
(本誌6月7日売り号特集「日本人が知らないGAFA包囲網」では、フェイスブックなどテック大手の規制とそれにより私たちの生活がどう変わるかをリポートしている)