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食水産庁、ロシアとサケ・マス交渉11日開始 解禁日に出漁できず
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日本の水産庁は、北海道沖の太平洋で行うサケ・マス漁の漁獲量などを決めるロシアとの交渉を同日開始すると発表した。写真はイクラ。都内で2018年9月撮影(2022年 ロイター/Issei Kato )
日本の水産庁は11日、北海道沖の太平洋で行うサケ・マス漁の漁獲量などを決めるロシアとの交渉を同日開始すると発表した。例年は10日に漁が解禁されているが、ロシアがウクライナに侵攻した今年はまだ協議が始まっていなかった。
交渉はオンライン形式で、日本側は水産庁や外務省、漁業団体の関係者などが、ロシア側は外務省や漁業庁の関係者などが出席する。日本の制裁措置にロシアが反発する可能性があり、事情に詳しい関係者の1人は、「交渉は始まっても余談を許さないと思う」としている。
日本とロシアは毎年春のサケ・マス漁開始前に操業条件を交渉している。今回協議するのは日本の200キロ海里内分。日本漁船がロシアの川で生まれたサケ・マスを漁獲するには、日本の水域でも漁獲量などをロシアと合意する必要がある。ロシアの水域での漁についての交渉は引き続き調整中としている。
今年は交渉の日時がなかなか決まらず、漁業関係者の間で不安が募っていた。日本は主要7カ国(G7)と足並みをそろえて制裁を順次強化しているが、「日本の海域での漁業を守るのは、単純な対ロ経済協力とは異なる」(政府関係者)との判断で対ロ交渉の実現を調整してきた。
2021年の日本の200海里水域分の交渉結果は、漁獲量の上限が2050トン。日本がロシア側に支払う協力費は、漁獲量に応じて2億6000万円─3億0013万円となっていた。財務省などによると、協力費は例年、北海道の漁業団体が日本の金融機関を通じてロシア政府に円建てで支払っている。

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