曲者ぞろいの論客を見事にさばく「アベプラの猛獣使い」、議論を成功に導く極意とは
以前、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長に出演いただきました。総理会見直後だったこともあって、分科会がやってきたこと、尾身会長が発信してきたことなど、批判しようと思えば批判できるポイントはたくさんありました。でも私は、どういう気持ちで発信したのか、政府との関係でどういう苦悩があるのか、といった尾身会長自身の思いにまずは身を寄せるスタンスで、話をうかがいました。
いまどういう思いでその立場にあるのかを想像する姿勢に徹してみる。それも「ポジティブジャーナリズム」のひとつだと思います。
ただ叩いているだけでは、殻に閉じこもってしまったり関係が悪くなったりする。そうなると、どんどん分断していく一方です。社会によい変化をもたらす、世の中によい作用を生み出す議論の場をつくれるよう強く意識しています。当事者を呼ぶからこそ、私たちの番組の責任はとても重いのです。
人の生の声を聴けること自体にバリューがあります。まずは耳を傾けてみましょう。そこに意識を集中するからポジティブでいられるんです。意見を言う人を守れるんです。
いまこの瞬間、どういう思いでこういうことを発信しているんだろう。そこに興味を持って相対する姿勢を、これからも大事にしていきたいです。
平石直之(ひらいし なおゆき)
テレビ朝日アナウンサー。「ABEMA Prime」の進行を担当。1974年、大阪府松原市生まれ。佐賀県鹿島市育ち。早稲田大学政治経済学部を卒業後、テレビ朝日に入社。報道・情報番組を中心に、「地球まるごとTV」「やじうまテレビ!」などでMCを務め、「ニュースステーション」「スーパーJチャンネル」「サンデー・フロントライン」「報道ステーション」などでは、キャスターおよびフィールドリポーターとして全国各地を飛び回る。訪れた地は全47都道府県。2004年6月から1年間、ニューヨーク支局に勤務し、イチロー選手(当時)が年間最多安打記録を打ち立てた歴史的な試合や、アメリカ大統領選を取材。帰国後に「数字が読めるアナウンサー」を目指し、独学で8カ月かけて簿記3級と2級を取得。
2019年から新しい未来のテレビABEMAの報道番組「ABEMA Prime」の進行を担当。"論破王"と呼ばれるひろゆき氏との軽快なかけあいや、ジャーナリスト・佐々木俊尚氏との熱い議論など、アナウンサーという枠を超え、ファシリテーターとしての役割を存分に発揮。個性が強い出演者たちを巧みにまとめ上げる、"アベプラの猛獣使い"として番組を大いに大いに盛り立てている。
特技はテニス。学生時代はテニススクールのインストラクターのアルバイトで、コミュニケーションスキルを磨いた。自他ともに認めるスイーツ男子で、愛猫家の一面も。
また、大学の卒業旅行で中国のゆかりの地をめぐった"三国志マニア"で、本、映画、連続ドラマ、ゲームなど、あらゆる形でこよなく愛する。
Twitterアカウント:@naohiraishi
flier編集部
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