「ニーズを満たす商品」では売れない...消費者「優位」時代に生き残るブランドとは
SHIFTING LOYALTIES
品薄状態に意外なメリットも
だが在庫不足はブランドにとって悪いことばかりとは限らないと、ジョージタウン大学のノードハイムは指摘する。スーパーでいつものブランドのトイレットペーパーが見当たらなければ、棚にあるほかのブランドのものを買うだろう。しかし、一部の高額商品の愛用者は決まったブランドへの愛着が深い。
「アップル製品の購入者の多くは何があってもファンであり続け、悪い事態に寛大だ」と、ノードハイムは言う。「誰よりも、待つこと、サプライチェーンの不備に適応することをいとわない」
そうしたコアなファンのいる他のブランドの場合、品薄状態は実はブランド・ロイヤルティーを増すという。例えばオートバイメーカーのハーレーダビッドソンは年間生産台数を制限している。希少さがファンにはかえって魅力になるからだ。
コロナ禍はカテゴリーを超えてブランド・ロイヤルティーの原動力を複雑に変化させている。その全てでカギとなるのは、買い手と売り手の関係が消費者優位になっていることだ。信頼できるコミュニケーションをし約束を守る意思のあるブランドは繁栄するが、口先だけのブランドは消えていくだろう。
ニールセンのウィルソンはこう指摘する。「買い手へのパワーシフトが起きていて、買い手のニーズは一定ではなく、ころころ変わる」
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