給料据え置きの「週4日勤務」で、生産性と労働意欲を高める会社の挑戦
We're Doing a 4-Day Week
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2022年1月からの週4日勤務導入を社員に告げるオニール EDWIN LADD
<コロナ禍による在宅ワークの広がりで「開眼」。短い労働時間でパフォーマンスを上げることはできるはず>
コロナ禍の18カ月間、「台風の目」のど真ん中にいたわが社は、考えることが山ほどあった。誰もがパンデミックで家に籠もっていた期間中でも、医療・社会福祉専門家を派遣する業務を行うわが社は大忙しだったのだ。
異常な状況下でも「通常」営業していた私たちは、ある意味で幸運だった。そんな中多くの企業が在宅ワークに柔軟になるにつれて、私も北欧式の働き方について考え、調べ始めるようになった。
ここイギリスでは、「最初に出社して最後に帰る」人が英雄視されるようだが、スウェーデンのような国では、遅くまで職場にいるのは仕事の要領が悪いからだと見なされる。その考えに私は共感した。
私たちの会社「フェアウェイ・ホームケア」は、医療・福祉関係のスタッフとクライアントに気を配るあまり、時には自社の社員のことを忘れがちだ。社員の多くは勤続7~9年で、多くが家庭を持っている。
私たちは革新的な仕事をしていると誇りたいし、社員は求められる以上の仕事をしている。だからこそ、ワークライフバランスをもっと追求する必要がある。
長時間労働でのアピールは時代遅れ
私は運営部長として、個人的には9時~5時勤務や、1日12時間働いて猛アピールといった概念は、本当に時代遅れだと感じる。そんなわけで、週5日制と同じ給料で週4日制を導入することは、次のステップとして当然だった。
今年1月から週4日勤務に移行した社員は約40人。打診した際、狙いは何なのかと尋ねてきた人もいた。「なぜ導入するのか」「会社に利益があるのか」と疑問を抱くのが一般的な感覚だろう。社員は裏を探っているように見えたが、ひとたびそこを乗り越えると、次第に週4日勤務でうまくいくかどうかに興味を抱くようになった。
週休3日だと子供の保育費用が浮くと言う社員がいれば、子供が学校に行く間に自分の時間が持てると言う人も、もっと旅行ができるようになると話す人もいた。どんな会社や組織でも、生産性が通常より低下している時間がたくさんある。だからこそ、より短い時間でより集中して働くことができる。