酒造メーカー大手、ポストコロナにらみ2万円以上の高級スピリッツ市場に照準
米ヒューストン在住のウイスキー収集家、アンディー・スン氏によると、高級ウイスキーへの投資や収集に対する関心は2、3年前と比べて高まっており、希少なウイスキーの価格はこの1年間で「まったく正気ではない」水準に上昇した。
例えばグレンアラヒー・ディスティラーズ社が5月に限定2000本で発売を開始した30年物「グレンアラヒー」は1本の価格が475ポンド(662ドル)だったにもかかわらず即刻売り切れ、今ではオークションでこの2倍の価格が付いているという。
長期間でみると、消費者の嗜好はウイスキーやバーボンなど「ブラウンスピリッツ」と、ウオッカやジンなど「ホワイトスピリッツ」の間を15年ほどの周期で行き来しがちだ。これは若者世代が親世代の好んだブランドやカテゴリーを避ける傾向があるため。
「デルタ株の影響は皆無」
この14年間はブラウンスピリッツの人気が高かったことから、一部の企業はテキーラやメスカルなど高級なホワイトスピリッツを有望視していると、カデント・コンサルティング・グループのケン・ハリス氏は指摘する。
ワクチン接種を終えた安心感から高級なレストランやホテルに客足が戻りつつあることも、高級な酒類の需要を押し上げると見込まれている。米国ではコロナ感染者数が急増しているにもかかわらず、バーやレストランの85%近くが再開した。
ハリス氏によると、デルタ株の感染者数が増えても、酒造業界ではM&Aへの意欲が鈍らず、高級スピリッツのブランドの評価額は下がっていない。「デルタ株の影響は皆無だ。この分野の打たれ強さが証明され、今後の長期的な見通しも見えてきた」と語った。
(Siddharth Cavale記者 Francesca Landini記者)

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