中国の金採掘会社、南米や西アフリカで資産買い漁り
赤峰黄金はロイターへの声明で、オーストラリアやカナダといった先進国への投資について、資産が西アフリカや南米よりも10-30%ほど割高な上、発展途上国の鉱山会社の方がより速く買収手続きを進められるため、「積極的には行っていない」と説明した。
赤峰黄金は、中国企業が海外で資産を買収する際の有利な条件の1つとして国家による資金提供を挙げ、ビビアニ金鉱は「完全に競争力のある価格」で取得できたとの見方を示した。
金相場上昇で買収額も膨張
中国は南米でもM&Aを拡大している。中国の産金大手、紫金鉱業は昨年、5カ月の間にガイアナ・ゴールドフィールズと、コロンビアを中心に金鉱を運営しているコンチネンタル・ゴールドを相次いで買収した。
紫金鉱業はガイアナ・ゴールドフィールズ買収で、シルバーコープの提案を35%上回る価格を提示。コンチネンタル・ゴールド買収では29%のプレミアムを支払った。
紫金鉱業はこの報道に関するコメント要請に返答しなかった。
こうした買収価格は金相場の大幅な上昇を反映している。金は昨年8月に過去最高値を更新、今年は約25%値上がりしている。
カナダの産金大手エンデバー・マイニングは昨年11月にテランガ・ゴールド買収で5.1%のプレミアム支払いに合意するなど買収を積極的に進めたが、その後は株価が低迷している。
西アフリカの産金会社幹部は、中国企業は動きが速く、資金の調達が容易だと指摘。「企業価値の2倍を支払っても気にしない誰かと入札で競争しているようなものだ。彼らは買収を続ける」と語った。
リフィニティブのデータによると、中国の鉱業会社は昨年、中東・アフリカの産金会社・資産の買収に合計で4億5200万ドル(約488億1600万円)を費やした。これは中国の海外でのM&A支出総額の約60%を占め、同地域における市場シェアは14年以降で最高となった。リフィニティブのデータはアフリカと中東の数字を分けていない。
(Helen Reid記者、Kane Wu記者)
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