中国、輸入食品に「コロナ検査」 輸出国側、科学的根拠なしと大反発
中国側のコロナ検出に疑問の声
ニュージーランドのアーダーン首相は16日、中国・済南市がニュージーランドからの冷凍牛肉で新型コロナウイルスを検知したと発表したことに対し、疑わしいと反論。ニュージーランドからはウイルスの付着などない状態で輸出されたと確信しており、中国側からは何もはっきりした情報が届いていないと説明した。
8月には中国・深セン市がブラジルからの鶏手羽肉から新型コロナウイルスが見つかったと明らかにすると、ブラジル政府関係者は現地に乗り込んだ。
しかし、ブラジル農業省によると、中国の当局は活性化したウイルスを発見したかどうかの情報をブラジル側に提供できなかった。
中国政府の通商担当者によると、中国はWTOの場で、こうした措置について「科学的根拠に基づいた暫定的な判断」で、「中国国民の生命を最大限守る」ことが狙いだと主張した。
また、同国は冷凍タラのサンプルから、感染力を持つ状態の新型コロナウイルスを分離することに世界で初めて成功したとし、これが食品から人にウイルスが感染する証拠だと主張している。だが、具体的な科学的根拠は公表していない。
欧州連合(EU)の在中国代表部高官のグドラン・ガルホフ氏は、今月の食品安全性をテーマにした会議で、中国の検査方法とその結果について輸出側はもっと情報を必要としていると主張。中国に対し、貿易をするのなら相手のことは公正に扱い、情報共有の機会を与えなければならない、と注文を付けた。
(Dominique Patton記者 Emma Farge記者)
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