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ボランティア

企業がボランティア活動に取り組む意義とは

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2020年3月31日(火)14時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ 広告制作チーム

<近年、ボランティア活動に積極的に関わろうとする人々が増えている。そうしたボランティア活動に参加する従業員を、企業が大切にする流れが国内外で広がっている......>

人の役に立てることを実感、増えるボランティア活動

阪神淡路大震災や東日本大震災など大きな自然災害をきっかけに、ボランティアが活躍する場面が増えている。これに伴い、ボランティア活動を通じて自分が人の役に立てたことを実感でき、社会的に意義のある活動に参加したいという人も増えている。

また、近年「サードプレイス」という言葉が使われるようになってきた。家庭(ファーストプレイス)や職場(セカンドプレイス)以外で、人生を充実させられる自分の居場所という意味だ。立教大学大学院の中村陽一教授は、自宅と職場以外に自分の場所を見つけたいと考える人が増えてきたことが、人々がボランティア活動を始める背景にあると説明する(参照:毎日新聞「ボランティア活動に積極的な従業員を企業が手放さない理由とは!」)。こうした考えの変化の背景には、働き方改革・休み方改革が近年進んでいることもある。

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一方で企業としても、ボランティア活動に注目しているが、これには理由がある。ボランティア活動に興味を持つ従業員に対し、活躍の場の選択肢を職場以外に示せたり、より良いワークライフバランスを社員に提供できたりすることで、魅力的な雇用主としてアピールできることだ。

さらに、ボランティア活動など外部とのつながりを持っていたり、さまざまな経験をしたりする従業員は、多様性や幅広い知見を有する傾向にある。そのため、従業員にボランティアをしてもらうことは、優秀な人材の確保にもつながる。

地域社会からの信頼確保により企業としてブランドが強化できたり、従業員が自社に誇りを持てたりと、社内外へのブランディングになるという利点もある。このようなことから、ボランティア活動に参加する従業員を、企業が大切にする流れが国内外で広がっていると中村教授は説明する。

企業はどのようにしてボランティア活動を取り入れているのか

とはいえ、ボランティア活動に積極的に参加するために、課題がないわけではない。いくら働き方改革が進んできたからといって、社会人はやはり忙しい。自分のプライベートな時間を割いたり、家族との時間を犠牲にしたりしてまで、地域貢献活動、社会参画活動に参加するのは勇気がいることであり、家族の理解を得るのも難しい可能性がある。その解決策のひとつがボランティア休暇制度の導入である。

中村教授は、「ボランティア休暇制度は、多くの企業できちんと整備されていってほしい。ただし、従業員の意識や行動が変わってきたとはいえ、休暇制度というのは会社に対して遠慮も出るため、そうした点がうまく運用できる仕組みや、従業員から申請を受ける管理職の意識改革も必要だ」と指摘する。

では実際に、企業はどのようにしてボランティア活動を取り入れているのだろうか。成功している企業の事例を紹介したい(参照:Sportiva 「空前のスポーツボランティアブーム。企業も休暇制度導入など積極サポート」)。

【伊藤忠商事株式会社】
2007年度より『伊藤忠野球教室』を開催している。東京圏の障がいのある小中高生を招待し、東京ヤクルトスワローズの元選手たちの指導のもと、明治神宮野球場にて野球に親しんでもらうものだ。近隣の明治神宮外苑とヤクルト球団の協力のもと、伊藤忠グループ社員約70名がボランティアとして参加している。子ども達と保護者を合わせると約210名規模のイベントだ。また東日本大震災支援活動の一環として、岩手県陸前高田市で、地元の少年野球チームを集めた『伊藤忠子どもの夢カップ』も開催。11回実施したこの大会でも、社員ボランティアが参加し、地域の子どもたちと野球を通じて交流してきた。

【パナソニック株式会社】
「事業を通じて社会の発展に貢献する」という経営理念の根幹になる考え方をもとに、事業活動とともに企業市民活動をグローバルに展開している。現在実施している主なボランティア関連のプログラムとしては、「災害ボランティア育成講座(初級編)」、「ソーシャル・グッド・ミートアップ」などがあり、災害の際に地域で活躍するボランティアの育成や、社員が気軽に社会課題を学ぶことができる機会の創出等に取り組んでいる。

【株式会社富士メガネ】
メガネを通じた難民支援や視力活動支援を実施している。現会長が1945年の終戦直後の混乱の中、創業者の妻とともに満州から稚内まで逃げのびた際の原体験から「困っている人を助けたい」という想いを持ち、現在まで難民支援活動や視力支援活動を展開している。特に中小企業では、トップの強い意志により、一過性のものにすることなく、会社の方針として継続的にボランティア活動を実施する基盤が構築できている好事例となっている。

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厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト(労働者の休み方等のページ)への掲載