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株安日経平均は大幅続落856円安 WHOパンデミック宣言とトランプ演説が影響
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東京株式市場で日経平均は大幅続落した。写真は都内で10日撮影(2020年 ロイター/STOYAN NENOV)
東京株式市場で日経平均は大幅続落した。新型コロナウイルスの感染がパンデミック(世界的な大流行)の段階に進んだことが投資家心理を圧迫する中、取引時間中に行われたトランプ米大統領の演説が失望を誘い、日経平均は一時1000円超安となった。売買代金は3兆7853億2000万円まで膨れ上がった。
11日の米国株市場でダウ平均は1460ドル超下げ、2008年の金融危機以来初めて弱気相場入りした。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が11日、新型ウイルスの感染拡大がパンデミックに相当すると表明したことなどが嫌気された。
日経平均は続落スタート後もみあいとなった。その後、トランプ米大統領が演説で欧州からの米国への入国を向こう30日間全面的に停止すると発表し、米株先物が時間外取引で軟化。新型ウイルス対策としての給与減税については具体策が示されなかったことも嫌気され、下げの勢いが一気に強まった。日経平均は一時1076円79銭安となり昨年来安値を更新、2017年4月以来の安値圏となった。後場の日経平均はショートカバーが入ったことや、米株先物が下げ渋ったことにより下げ幅を縮小したものの、勢いは乏しく前日比4%超安の1万8559円63銭で引けた。
トランプ米大統領の演説ついて、市場からは「投資家が一番期待しているのは給与減税なだけに、今回の演説で投資家の期待は空回りとなり、時間外取引での米株先物の急落につながった」(みずほ証券・投資情報部部長の倉持靖彦氏)との声が出ていた。
TOPIXも大幅続落。東証33業種では全業種が値下がり。海運業、空運業、鉱業、不動産業、精密機器などが値下がり率上位となった。
個別ではオリエンタルランドが続落し4.09%安となった。同社は新型ウイルスの感染拡大を防ぐため2月29日から東京ディズニーランド・シーの臨時休園をしていたが、4月上旬まで延長すると11日に発表したことが嫌気された。
東証1部の騰落数は、値上がり39銘柄に対し、値下がりが2117銘柄、変わらずが9銘柄だった。
日経平均
終値 18559.63 -856.43
寄り付き 19064.51
安値/高値 18,339.27─19,142.18
TOPIX
終値 1327.88 -57.24
寄り付き 1360.61
安値/高値 1,313.15─1,363.48
東証出来高(万株) 258352
東証売買代金(億円) 37853.2
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