チョコ「毎日1億円」売る名古屋の催事とは? 世界初ゴディバの別注も
オリジナルな取り組みも会場を沸かせる。そのひとつが「売り上げランキングボード」だ。
もともと2012年に来場者への案内のために設置されたが、ブランド側が注目し始めた。「ランキングが表示されるので私たちも熱くなれます」(レ トロワ ショコラ パリ 佐野恵美子さん)ランキングを上げるために、シェフが積極的に来場するようになった。
「シェフのお立ち台」もユニークだ。
数年前、あるシェフが台の上から接客をしたところ、ほかのブランドがまねるようになり、今や「お立ち台」は会場のスタンダード。「シェフがお立ち台に乗ると、社員はすかさず「シェフ来場中でーす!」と叫びます。するとお客さまの行列ができてシェフが気持ちよく仕事をしてくださるんです」。(犬飼さん)社員、スタッフ、シェフが一丸となって会場を盛り上げているのがわかる。
人気ブランド呼ぶため冷蔵ケースを購入
今でこそ日本一のバレンタイン催事も、最初は手探りだった。「私たちは2000年にオープンしたので、名古屋ですぐには認めてもらえませんでした。だからこそなんとかお客さまに来ていただこうと社員が知恵をしぼり、バレンタインの催事が生まれたのです」。(犬飼さん)
第1回は2001年。それまで百貨店のバレンタインは、地下の食料品売場を広げる程度で、催し会場を使う発想がなかった。「ある時、催し会場でバレンタイン催事をやったら?とアイデアが出ました。わざわざ10階までお越しいただけるのかな、と心配したものの、結果は大成功でした」。(犬飼さん)今では一般的になった、催事場での百貨店のバレンタインイベントを初めて行ったのは、実はジェイアール名古屋タカシマヤだ。
2年目以降は、なんとか人気ブランドに出店してもらえるようにと、チョコレート用の冷蔵ケースを大量に確保した。バレンタイン時期はリース会社に冷蔵ケースの発注が集中し、確保が難しい。「それなら大量に買ってしまおう」という当時の経営判断が、その後の規模拡大につながることになる。