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投信からの資金流出が続いた2019年の投資動向

2020年1月17日(金)13時30分
前山 裕亮(ニッセイ基礎研究所)

2020年はどうなるだろうか。外国債券(特に毎月分配型ファンド)からの資金流出は収まる気配がなく、まだ当面は続くと思われる。その一方で内外株式の資金流出や投資家のインカム選好が続くのかは、金融市場の動向次第といったところだろう。また、バランス型の人気がいつまで続くのか、それとも「バランス型ファンドでの資産運用」の人気が定着し、定番となっていくのか注目である。

2019年は前年低迷した株式ファンドが特に上昇

12月にパフォーマンスが良好であったファンドをみると、ブラジル株ファンドが総じて好調であった【図表5】。12月は英総選挙結果や米中問題の進展を好感し、投資家のリスク回避姿勢が弱まり、世界的に株価が上昇し、内外問わず株式ファンドは総じて上昇した。そのような中、ブラジルと関係が深い中国で足元の景況観が改善したことやブラジル中銀の断続的な利下げによるブラジル景気の下支え期待なども加わり、ブラジル株式は大きく上昇した。さらに為替市場でブラジル・レアルが対円で5%ほど上昇したことも追い風になり、ブラジル株ファンドは12%程度上昇した。

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2019年通してパフォーマンスが良好であったファンドをみると、一部のテクノロジー系のテーマ株ファンド(青太字)と中国株ファンド(赤太字)が好調であった【図表6】。2019年は市場平均(MSCI ACWI)が円建てで26%上昇するなど世界的に株式ファンドは上昇したが、それらのファンドの収益率は40%を超えており、特に上昇が大きかった。ただ、その一方で2019年に特に上昇したファンドの多くが2018年は20%以上下落しており、2018年の下落幅が11%であった市場平均と比べて大きかった。2018年の下落が大きかった分、2019年に株価が反転する中、上昇も大きくなった面もあるといえるだろう。2018年に我慢してそれらのファンドを保有し続けた投資家にとっては、2019年はまさに報われた1年となったといえよう。

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Nissei190903_Maeyama.jpg[執筆者]
前山 裕亮 (まえやま ゆうすけ)
ニッセイ基礎研究所
金融研究部 准主任研究員

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