最新記事

マック、カナダで人工肉バーガー試験販売 全米展開なら年間2.5億個売上も

2019年12月11日(水)11時58分

UBSの調査によると、米マクドナルドがカナダの一部の店舗で行っている試験で、人工肉バーガーの販売数は1日当たり平均20─30個にとどまる一方、より人口の多い地域では1日100個に達している。写真はロサンゼルスで2017年10月撮影(2019年 ロイター/Lucy Nicholson)

米ファストフード大手マクドナルドがカナダの一部の店舗で行っている試験で、ビヨンド・ミート社の植物由来の人工肉を使ったバーガーの販売数は1日当たり平均20─30個にとどまる一方、より人口の多い地域では1日100個に達している。スイス金融大手UBSの調査で明らかになった。

UBSによると、この数字はマクドナルドがこの「プラント・レタス・トマト」(P.L.T.)バーガーを全米の約1万4000店で正式に販売すれば、最終的に年間2億5000万個超を売り上げることを意味する。

ビヨンド・ミートにとっては、マクドナルドとの提携で年間売上高が最大3億2500万ドル押し上げられることになる。ただUBSは、マクドナルドが以前よりバーガー用のパテを複数のサプライヤーから調達している点に注意を促した。

マクドナルドは9月、大手ファストフードでは初めてオンタリオ州の28店舗で人工肉を使ったサンドイッチの試験的な販売を開始した。もっともアナリストと業界コンサルタントは、人工肉ベースのバーガーの人気が持続可能で、販売数量がメニューに恒久的に載せる水準に達するかどうかについて疑問を投げかけている。

一部の専門家は、マクドナルドのフランチャイズ店は、P.L.T.バーガーを定番メニューにするには1週間当たり300─400個売り上げる必要があると推定する。マクドナルドは全米での販売や試験の状況については明らかにしていない。 

UBSの別の調べで、マクドナルドと競合するバーガー・キングも、ビヨンド・ミートのライバルであるインポッシブル・フードの人工肉を使ったバーガーを1日当たり約40個販売していることが分かった。全米で販売されれば年間約1億0700万個になる。UBSによると、同じ店舗が1日当たり通常の「ワッパー」バーガーを約230個販売しているが、人工肉バーガーの導入で販売数は減っていない。同社の試算に基づけば、インポッシブル・フーズにとってバーガー・キングとの提携で年間約1億3500万ドルの売り上げがもたらされる可能性がある。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191217issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月17日号(12月10日発売)は「進撃のYahoo!」特集。ニュース産業の破壊者か救世主か――。メディアから記事を集めて配信し、無料のニュース帝国をつくり上げた「巨人」Yahoo!の功罪を問う。[PLUS]米メディア業界で今起きていること。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米小売売上高4月は前月比横ばい、ガソリン高騰で他支

ワールド

スロバキア首相銃撃され「生命の危機」、犯人拘束 動

ビジネス

米金利、現行水準に「もう少し長く」維持する必要=ミ

ワールド

バイデン・トランプ氏、6月27日にTV討論会で対決
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中