精肉vs人工肉 スーパーで密かに進む売り場の陣取り合戦
迫る競争
ビヨンド・ミートの製品は約3年前から小売店で扱われるようになったが、植物肉製造の競合他社が参入するようになり、こうした議論も過熱し始めている。
「みな精肉売り場に商品を置きたがるので、場所取り争いが激しくなっている」と、小売食品市場のエキスパートであるフィル・レンパート氏は言う。
ライトライフというブランド名でビーガンの「ひき肉」などの植物性肉を製造しているカナダのメープルリーフフーズは、今夏までに米国内の小売店の精肉売り場に製品を並べる。
これまでレストラン向けの卸売に特化してきたインポッシブル・フーズは、年末までにスーパーの精肉売り場に同社のインポッシブル・バーガーを置く計画だ。
食品世界最大手のネスレも、傘下の米ブランドのスイート・アースに、豆から作った植物性パティの「オーサム・バーガー」を加える予定だ。スウィート・アースを2012年に創業したケリー・スウェッテさんは、9月か10月にスーパーやレストランにオーサム・バーガーがお目見えすると話した。
米食肉加工最大手のタイソン・フーズは、保有していたビヨンド・ミート株を4月に売却したが、その後独自の代替たんぱく質食品の開発に取り組んでいる。
セーフウェイなどのスーパーを所有するアルバートソンズで精肉と水産を担当するジョン・ベレッタ氏は、精肉売り場は消費者の需要に従って変わり、一部の肉製品は植物精肉に置き換わる可能性があると話す。
「今は、植物性肉が独立した分野として確立しつつある段階だ。今年の末までに、精肉売り場内に植物性肉コーナーが設けられるようになるだろう」と、同氏は予測した。
(翻訳:山口香子、編集:宗えりか)