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金融政策米FOMCが金利据え置き、世界経済・動向を注視へ
米FRBは世界の経済・金融動向を注視する姿勢を示す一方、米経済については前向きな判断を維持
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1月27日、米FOMCが金利据え置きを決定した。写真はワシントンのFRB。昨年9月撮影(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)
米連邦準備理事会(FRB)は、27日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定した。世界の経済・金融動向を注視する姿勢を示す一方、米経済については前向きな判断を維持した。
声明では「世界の経済・動向を注視(closely monitoring)しており、それが労働市場やインフレに及ぼす影響を見極めている」と指摘した。
今回の声明では、経済見通しへのリスクが均衡している、との従来の文言が外れ、代わりに世界経済や金融市場が見通しにどう影響し得るかを検討している、との表現が加わった。
金融政策の道筋に関しては、新たな予想を示さなかったものの、労働市場は引き続き力強さが増し、経済は「金融政策スタンスの段階的な調整」が伴っても拡大する見通し、との判断を示した。
声明を受け、S&P総合500種<.SPX>は1%超下落。米ドル<.DXY>は主要通貨に対して下げ幅を拡大した一方、米国債価格はまちまちとなった。
金利先物市場では声明発表後、次の利上げ時期の予想が6月から7月へと後ずれし、市場が織り込む3月の利上げ確率は33%から32%へと小幅に低下した。
ロイターが27日、FOMC声明発表後に公表したプライマリーディーラー(米公認政府証券ディーラー)調査では、FRBの利上げは年内3回との見方が多かった。
チャールズ・シュワブの債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「声明はハト派的」と述べた。
ウェスタンユニオン・ビジネス・ソリューションズのアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「FRBが現時点で過度に懸念しているとは考えていない。FRBは世界情勢による圧力を前に冷静な態度を保った」と指摘した。
FRBはまた、労働市場に関する一連の指標は、就業者数の「力強い」伸びを含め、雇用市場が一段と引き締まっていることを示唆しているとの認識を示した。
エネルギー安や輸入価格の下落を起因とするインフレ下押し圧力についても、一時的との見方を維持した。
FRB当局者は1、2月の雇用統計を精査した上で、3月のFOMCで追加利上げの是非を判断する。
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