これからは「変な間取り」のマンションがトレンド?「1R+2N」「LDK」って何
分譲マンションのなかには、「間取りのない家」と紹介されるプランも。筆者撮影
<かつて投資用に購入された狭いワンルームが、便利な都心にマンションを買いたい若者向けに工夫を凝らし、コンパクトながら住みやすい住戸が登場している>
コロナ禍の暮らしが始まって2年が経過した今、ちょっと変わった間取りが2つ登場した。
まず、表記が変だ。
「1R+2N」に「LDK」......SF映画に出てくるロボット? 誤植(表記間違い)?
が、それらは1人暮らし、2人暮らし向けのコンパクトマンションで実際に販売される間取りである。
「1R+2N」は「ワンルーム・プラス・ツーエヌ」と読み、ひと間だけの部屋=ワンルームに2つのN(納戸)が付いていることを指す。
そして、「LDK」はご存じの方が多いだろう、リビング・ダイニング・キッチンの略だ。と、用語の説明をしても、「だから、それ何?」とツッコミが入りそう。そもそも、「LDK」自体は馴染みの深い言葉なのだが、「LDK」と名付けられた間取りに出会うことはなかった。40年に及ぶ住宅取材で、初めて見た。
以下、実際の間取り図とともに、解説しよう。
「1R+2N」は、収納充実のプランニング
まず、「1R+2N」は、ワンルームに2つの納戸が付いている、つまり、「収納充実のワンルーム」を意味する。
その間取り図が以下だ。
「シティハウス池袋」(住友不動産)で、販売されている「1R+2N」のプラン。約31平米の広さとなる。住友不動産提供
従来のワンルームマンションは、収納スペースが少なかった。小さなクローゼットが1つ付いていればよいほうで、「収納はベッド下の引き出しだけ」というケースもあった。
下足入れ(つくり付けの下駄箱)もなく、部屋中に衣類や道具が散乱しがちだった。
大型収納など望みようもなかったのだが、上の間取り図では納戸と呼ばれる半畳ほどの収納が2つ付いている。他に、下足入れとクローゼット(間取り図ではクロゼットと表記)も複数ある。
さらに、洗面台の上やシステムキッチンの上に戸棚があるなど、まさに収納充実。従来のワンルームよりも、格段に片付きはよさそうだ。
洋室の広さは約11畳。ただし、これは「キッチン含む」となっているので、純粋な洋室部分は8畳から9畳程度か。
狭さを感じるワンルームではベッドと机兼テーブルを6畳ほどの広さに押し込み、机の下に小さな冷蔵庫が組み込まれることもあった。キツキツだったのである。
それに比べれば、8〜9畳相当の洋室でも十分に広い。ベッドのほかに机やソファを置くことができる。
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