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iPhoneで撮影、北欧の「瞬間」を切り取る20歳のストリートフォトグラファー
コッチが好んで使う帽子や鳥をしばしば取り入れ、ダークで神秘的な雰囲気を作り出している。カラー写真のほうは、色の魔術師とも言われる故ソール・ライターに大きく影響されている。
そのためか、一見すると彼らの作品と間違えることがある。いや、悪く言えば、コピーキャットとさえ思われるかもしれない。だが、モラーが最近出版した写真小冊子----タイトルは「Under the Surface」――の中で述べているように、彼が求めているものは、他の者がつい見逃しがちな何かだ。
表面的な事象の向こうにある、あるいはその下に隠れている、モラーが独自に解釈したメッセージなのである。加えてヴィジュアル的にも、コッチやソール・ライターたちのスタイルをさらにシンプルに、あるいはより大胆に発展させようと試みている。
写真哲学に非常にシャープな概念も持っている。それは、モラーが勉強家であることも垣間見せる。カラー写真の先駆者として世界に最も影響を与えた写真家の一人、エルンスト・ハースの言葉「(そこには)あなた自身とカメラしかない。あなたの写真の限界は、あなた自身の中にある。なぜなら、私たちが見ているものこそ私たち自身なのだから」を引き合いに出し、こう語る。
「それこそ私が言いたいこと。セルフポートレイトを撮影したことがなかったとしても、私の写真は、私自身が何なのかを映し出している」
この写真哲学と、彼のその瞬間その瞬間でのストリートでのムードと、その裏にあるメッセージを本能的に切り取る才能で、モラーの写真は今後さら発展していくかもしれない。
今回紹介したInstagramフォトグラファー:
Joakim Möller @moller_joakim
2020年2月18日号(2月12日発売)は「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集。「起きるべくして起きた」被害拡大を防ぐための「処方箋」は? 悲劇を繰り返す中国共産党、厳戒態勢下にある北京の現状、漢方・ワクチンという「対策」......総力レポート。
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