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ニューハンプシャー州予備選敗北で、ヘイリーが仕掛ける一発逆転策とは?
では、どうしてヘイリー候補は「敗北宣言」を行わなかったかというと、選対の関係者への取材としてCNNは次のような解説を流しています。まず「大口の献金がかなりあり、選挙資金はまだ潤沢」なのだそうです。その上でヘイリー候補は、「今度こそトランプ候補をテレビ討論に引っ張り出して一対一の対決をする」としています。この「一対一の勝負」に一発逆転をかけるというのが、彼女の戦略のようです。これを受けて、そもそもトランプが、これまで拒否し続けていたテレビ討論の場に出てくるのかがとりあえず注目されます。
ですが、アメリカ社会は「ニューハンプシャーでもトランプ勝利」という「事実」を前提として動き出しています。テレビ各局の特番では、焦点は「トランプが副大統領候補に誰を指名するのか?」という問題に移ったというコメントが飛び交っています。あくまで「自分に忠実で独裁や暴力を認める「トランプ主義者」から選ぶのか、それとも「共和党の本流に近い常識的な候補」を選ぶのかが焦点だというのです。また、バイデン大統領の選対周辺からは「これで、バイデン対トランプの一騎打ちとなる本選に焦点が移った」というようなコメントが飛び出しています。
その一方で、アイオワとニューハンプシャーで見せた「トランプの勢い」に対して、果たして「バイデンで勝てるのか?」という疑問の声が民主党内から湧いてくるかもしれないという見方もあります。むしろ、これからは大統領選の焦点としては民主党側の「トランプへの迎撃体制」が注目されるのかもしれません。

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